4月、春です♪ とはいえ例年経験的には4月のIowaはまだまだ寒く外で何かするにはまだ少々億劫です。2005年春、アメリカ南部で一歩先に本格的春を楽しもう!と、そう考えました。向かった場所はテキサス州のエル・パソ、メキシコとの国境に位置してます。エルパソからいくつかの場所へ向かいましたがまず、ここではガダルーペ山岳国立公園を紹介します。エル・パソから一路東へ。
3時間もしないうちに真っ白い砂漠を思わす大地の広がりの先に忽然と巨大な岩の出っぱりが出現しました。写真の岩の右端の角のところをぐるっと回り込むように道路は続いています。
このデッパった岩、ピョコッと出っ張っていてとても目立ちます。この辺はド平坦な大地が延々広がっていますから、これだけの岩の出っ張りはとても目立つのです。遠く60キロくらい先からでもこのデッパリが目につきます。
ドライブして近づいていくと、見あげんばかりの壮観な景色が広がりはじめ感動。ちなみにこの場所、東からよりは西からアプローチした時の方がその威容を堪能できます。
この一枚岩、高さ2464m
エル・キャピタンとかいうらしいです。
ちなみにエル・キャピタンは酋長さんという意味で、あっちこっちのでっかい一枚岩にはしばしばこの名前がつけられています。例えばヨセミテ国立公園に入ってすぐの場所にある世界最大の花崗岩の一枚岩も同じ名前です。
エル・キャピタンをぐるっと回り込んで国立公園内に入っていきます。公園内は岩だらけ。
ちなみに山岳国立公園というだけあって山の連続で、園内に自動車の為の道路は殆どありません。他の国立公園がドライブを楽しめる場合が多いことを考えれば、このガダルーペ山岳国立公園は全く違います。ちょっと立ち寄る形でこの公園を楽しもうと思っても、ま、山以外なーんにもない場所、そういう感じを持つことうけあいです。
凡人はこの公園の味わいを自分で感じる為にトレイルを歩くことを念頭においていました。特にこの場所の頂上であるガダルーペ・ピークに登ろうと考えていました。
ちなみに今年はやります。
Do The Peaks !
頂上制覇!
これです。アメリカの山はアラスカまで行かない限り4000mそこそこの山しかないですから、それ程大変ということはないでしょう。2005年夏にはLongs
Peakを狙おうと思って周到に計画しようと思っています。凡人、登山家ではないですから、もちろん素人で登れる山、つまりアイゼン、ピッケル、ロープ等なしでも登れる奴だけですけどね。ちなみに写真に写った目の前の山は2550m
この他、この場所には2500mくらいの山が延々と100キロ以上にわたって連なっています。
いきなり山へというのもなんですから、まず、冬場なまりきった体を慣らすために山に囲まれた平坦な場所、谷へと向かいました。Mckittrick Canyon地区といわれる公園東側の一角です。ちなみにこの場所、4時半には入り口の柵が閉まって中に入れなくなります。
Mckittrick Canyon内のトレイル・ヘッドへ向かうドライブ道中にフと思いました。
『なんか黄色いなぁ?気のせいかな?』
『んまてよ?気のせいじゃない!』
本当に目がくらむような眩さの一面お花畑でした。この辺り、かなり乾燥した場所ですから雨が降らない年には春でも花が咲かない年もあるそうですが、その点ラッキーでした。いいもん見せてもらいました。こんな世界、全く期待してなかったので得した気分でした。
んでもってトレイルヘッド。そこにはレンジャーステーションがありました。とりあえず、このステーションは無視、無視。
トレイルは山々を削ってきた川の作った谷の奥へと続いていました。印象としては、谷とは言っていますが谷というよりは
両脇を山に挟まれている、という表現が適切じゃないかと思います。アメリカで言うキャニオンの印象の多くは断崖絶壁に囲まれる世界ですが、そういう感じの場所ではありません。
”Cuteな場所(可愛らしい場所)よ”
という表現をしてましたが、確かにそういう感じかな、と思います。
途中、トレイルが消えていたりします。河原や、
川の中を歩くことになる部分があるからです。でも、乾燥したこの場所では水はチョロチョロくらいか、干上がっていますので歩くに問題はありません。川自体、茶色に見えますが、それは例えばコロラド川でみる茶色とは違います。コロラド川などの茶色は今まさに土砂を削ってできたにごった水の茶色ですが、ここは川底が茶色していて水は愕く程に綺麗でした。こういった水場のそばを歩く分にはサラサラと音がしてとても気持ちいいのですが
一旦、水辺を離れると灼熱地獄の様相を呈しています。春なのに日中の気温は30度超
暑いのにやられて、景色はそこそこなのですが1時間ほどで撤退してきました。トレイル自体はいたく平坦で歩ても大して疲れはしない場所なのですが、これ以上歩いても、山、川、谷の連続するこれまでのような景色以上の変化はあまり見込めなさそうだと感じたからです。水持ってきていたらもうちょっと先まで行けたでしょうが、持参してなかったので仕方ないです。
ま、この場所は谷を楽しむというよりは、そこに息づく生命の色とりどりの姿を堪能する場所、といった印象が強烈に残っています。
丁度、たまたま時期がよかったんでしょうね。水のあるところ、生命は春を謳歌しています。
さて、とりあえずガダルーペ山岳国立公園の中心であるパイン・スプリングスという場所に戻ってきてそこにあるキャンプサイトに我が陣を築きます。キャンプサイト、山を見上げる素晴らしい場所でした。こりゃ、ここに一泊するだけでもそれだけの価値ありますね、この場所は。
日が傾き始めていますので真っ暗になる前にテントはっときましょう、ってことでBackpackから毎度ですがテント、マット他取り出して
よっこりゃしょっと
よいしょ
こらしょ
ほーれ、でけた!
まずまずですね。時間にして15分で我が家の完成♪テントさえできればコッチのものです。
テントを先に張ってキャンプサイトの料金を払おうとしましたが、時間が時間で既にレンジャーステーションが閉まっていて、何処でお金払っていいのか分かりません。
自分のサイトからちょっと歩いたところにこのキャンプ場のホストがいました。ここのキャンプ場のホストはボランティアの品のいい少々年を老いた白人女性の方でした。
『お金はあっちの掲示板のところにレジストレーション(登録する為の場所、写真左)があるからそこでやってちょうだい。1泊8ドルよ。封筒があるからそれに必要事項記入して投函しておいてね。』
Campground Registrationの掲示板の指示に従って書類を作成し、封筒に10ドルお金を入れて投函。こんだけでキャンプ場の手続き完了。
再度キャンプグラウンド・ホストさんのところに行ってガダルーペ・ピークを登る為の情報を入手しました。
『往復8マイル(14キロ)少々で6−8時間かかる。頂上ガダルーペ・ピークは2667m。途中、水を入手できる場所はないので自分で持って行く必要があるし、十分な食料を持っていく必要がある。朝、日の出は6時半だけど5時半頃から既に明るいのでその時間から昇り始めるとよい。』
更に
『万が一、十分時間があればDevil's Hall(写真左)という場所に至るトレイル4マイル(6キロ)ほどがあるのでいってくるといい。ただし、このトレイルは非常に分かりづらいわよ。』
などなど。(結局、翌日、ガダルーペ・ピーク制覇の後、凡人はカールスバッドに行くことにしたのでDevil's
Hallへは行きませんでした。)
ちなみにホストのおばさんと結構長く話しました。
『高校の時にBackpackingをやり始めて夢中になり、1年間で全ての国立公園を回ったわ。社会人のときは時間がなかったけど時間のある今、またあの時と同じ気持ちになってるの。きっと、明日は快晴で、風の弱いいい天気。頂上制覇にはベストね。私も明日、初めてガダルーペ・ピークに挑戦するわ。』
あらま、キャンプ場のホストもまだ制覇してなかったのか...
ゆっくりとホストさんと話し込んでしまったおかげで真っ暗。凡人の照明道具はこれですキャンドルランタン♪なんとも風情ありますよ。なんたって単なる蝋燭なんですから。キャンドルランタンの照明能力なんてたかが知れているのですが、暗さに目が慣れてきて見えないものまで見えるような感じになるのです。
ほんでもってこの日の夕食を真っ暗の中料理しました。料理といってもこの火真っ暗になってしまいましたから、最も簡単なフリーズドライフードです。ドライフードは簡単でかなりカロリーが高いですから明日の登山に向けてこのくらいがよかろうっちゅう感じだったんです。ガスコンロをプレヒートして着火♪お湯を沸かし、ビニールに入ったドライフードに直接かけて待つこと15分完了です。これまで、なんかいこのドライフードで失敗してきたことか...凡人の使っているドライフードはアメリカ製品ですから、不味いのです。だいたい8割くらいは不味くて食べれません。が、これまでの積み重ねた経験でベストなのはマウンテンハウス社のSweet & Sour Pork with Rice これですよ。はい!lこれは数ある中で殆ど制覇してきた凡人が一押しします。甘い天津飯のような感じといっていいでしょうか。アメリカでBackpackingする輩、これはいけまっせ。ちなみに凡人は同社のOriental-Style Spicy Chicken にも注目していますが、まだ試していません。今度試してみたいと思っています。
昼はともかく朝晩は冷え込みました。砂漠気候で気温の日較差が大きいのみならず、キャンプ場の場所がもともと1500mくらい高度がありましたから。外気5度くらいでした。写真にできませんでしたが晴れ切った夜空に見た物凄い数の星、感動しました。
ちなみにこの際作ったのはこのフリーズドライフード以外にもまだありました。おにぎりです。
おにぎりだけ?
という感じかもしれませんがこれはいつも長距離歩いていく際の凡人の力の根源なのです。日本人です。
ご飯炊いて塩と紫蘇を散らして握りオニギリを作るのです。去年から一体何個のオニギリ握ってきたことでしょうか,,,凄い沢山、すくなくとも100個は握りました。毎回でしたから。人生でもっともオニギリ握った一年だったと思います。できたオニギリにはあとでしっとりとなじむように味付け海苔を巻いてサランラップに来るんでできあがり、半分は明日の朝食、半分は明日の昼ごはんです。朝5時半から登れる状態になるので4時半に起きる計画とし、この日は早めに休みました。
寝袋の性能を調べる為に気温5度なのにワザとTシャツ一枚で寝ました。さすがに寒くて途中おきてしまったので、やっぱし寝るときは少しは着ておかないといくら羽毛寝袋とはいえ無理だということを知りました。
翌朝、予定よりちょっと寝坊して行動開始し、起きて動き始めたのは6時少し過ぎくらいになってしまいました。朝日が大地に昇りまぶしく輝いています。よかったのは全く雲ひとつない快晴であったということでしょうか。ま、計算どおりっちゃ、計算どおり。
朝の涼しい外気が肌に優しく、意気揚々、この日のスタートです。いよいよ始まります。2005年の小テーマ。
Do the Peaks!
一応、この山の中のトレイルを使用する場合はトレイル出発点でその旨、記録を残しておく必要がありました。トレイル使用料が2ドルだったかな、少しお金かかります。
トレイル出発点のトイレ付近に手漕ぎ水道がありました。この手の手漕ぎ水道はアメリカの国立公園ではいたるところに見かけます。
写真右の取っ手をキコキコと20回ほど上下させて開いた上体でリリースしておくと、ジャーッと水が出てくるのです。最初はこういうの見て、本当に大丈夫かな?とか思ってましたが今では水洗いできる場所があるだけ贅沢だ、と思うようになりました。
朝日に照らされたガダルーペ山をスタートです。
狙うはガダルーペ・ピークひとつ!
出発した6時15分頃、自分の前に一人だけ50歳超えていると思われるお爺さんが独りで先を行っていました。ゆっくり、ゆっくり登って言ってました。
凡人 ”こんにちは”
おじさん ”やあ”
この後、ちょっと話しましたが、お年めしていらしゃったのに
『無理かもしれないが、わしゃできれば頂上まで行きたい!』
と言っていました。たいしたもんです。(結局、このおじさんとは頂上付近で再度会いましたから、頂上制覇をなさったのだと思います。)凡人、先を譲ってもらい小走りに山を登っていきました。小走りにというのはDo
the Peaksの訓練の為なのです。この山は2500m程度ですが夏に予定しているLongs
Peakは4000m超で往復少なくとも16時間はかかるとされています。高山病を考えると途中で一泊するよりも一揆果敢にのぼり、その日のうちに降りてくるのがLongs
Peakの常道なのです。それを成功させる為に登山のスピードを手にしようと考えていたのでワザと小走りで登ったのです。
トレイルは当たり前ですが登り一辺倒。思い出します、当たり前ですがきつかったです。
でも朝の冷たい空気が体に優しく、周囲の真っ青な青空が実に気持ちよかったです。途中、見たことも内容なへんてこりんな草?木?が生えてたりしました。ちなみにこの草、実はかなり巨大で高さ3mはあります。
登っていくトレイルは見あげる山肌表面でスイッチバックを繰り返しています。山は絶壁のようでした。
トレイルはそこに巧妙に作られており
この急な絶壁をそのまま登っていく形でどんどん天に向かっていきました。
今思えば、この序盤辺りが一番きつかったです。たぶん、多くの人がここで”冗談じゃない”と思って止めるでしょう。
でも、そこを登り続けたときに目の前に広がる世界は登るものを満足させてくれます。
アメリカの山っちゃ岩でごつごつした奴が多いですね。ココもそうでした。
山と山の間、谷あいにあるキャンプサイトも見えなくなってしまいました。
トレイルから見渡す景色に
凡人しばし心を打たれ
(凡人がいるの分かりますか?)
ところどころで足を止められるのでした。(凡人がいるの分かりますか?)
先に見上げていた絶壁の山を登りきると、その上の方は比較的平坦で松の木が生い茂っていてトレイルは更にその先に続きます。
トレイル始めの辺りの岩の世界とは少々趣が違ってこの辺は緑豊かです。
松の木の合い間にはいろんな花が色鮮やかでサボテンなんかも同居していたのはココ独特のものだと感じました。それしてもここのアロエの種は実にデカイ。
トレイルは更にその先に新たに見えてきた山の頂上へと向かって伸びています。この辺も比較的平坦で凡人走って先へ。
平坦は平坦なんですが、高さが高さなので、冷静になってトレイル脇を見おろしてしまうと
結構怖いものです。自分の歩いている真横は100mくらいでしょうか、ズドーンと崖になってます。歩きやすいのとは裏腹に場所自体はとんでもないとこのようです。
ひょいとトレイルを回り込み、先を見上げた時、そこに広がる景色に 思わず心奪われてしまいました。
テキサス州の広々した大地が眼下に一望されたのです。
快晴であったこともあって見通しは無限大。空気が澄み切っているのでしょう。これだけの見晴らしとは滅多に出会えるもんじゃないと思います。登ってきてよかったと思いました。
この場所自体は花崗岩、大理石が主体のようで
それはこの場所が山といってもかつては海の底にあったことを如実に物語っています。
そんな岩場をホイホイと小走りに登り続けます。見晴らしがいい分、気分も爽快でした。
小走りしながら自分の横に広がる景色をボンヤリ眺めて、なにやら自分は空を飛んでいるような感じの錯覚を覚えました。
気がつくと、巨大な岩の塊が自分の足元に見えていました。
『あー、あれは下でドライブしながら見上げていたエル・キャピタンなんだ...知らねーうちに随分と登ってきたなぁ...俺』
と、逆方向に目をやって驚きました。
『あれ?ひょっとしてこれは?』
そうです。
頂上でした。ガダルーペ・ピーク制覇!
実にあっけない登頂でした。ここが高度2667m、テキサス州最高峰なのです。かかった時間は2時間少々、8時半ごろには登頂を果たしていました。小走りで来たので相当早く達成できたことに我ながら少々驚きました。
”うむ、凡人知らんうちに体力ついたかな?いいDo
the Peaks ! の第一歩だ”
頂上付近は割と広く平坦になっていましたよ。この鉄塔の傍らに
鉄の箱があって中にはノートとペンが入っていました。記念にひと言、凡人カキコ
一応、これでやることはやった気がしました。
頂上で、エル・キャピタンを見下ろしながら独り、早めの昼飯(8時半だぞ、朝飯やん。笑)を楽しみました。
”不味い。米に芯がある...”
ご飯の失敗は毎度ですが応えますね。ご飯については凡人、日本人として妥協がないようです。他、毎度のいわしの角煮やらハイチュウ、イチゴみるくをモグモグ。うめー、うめー。
見晴らす景色 も素晴らしいし、あー言うことねーぜ。ご機嫌、ご機嫌。
そうそう、そういえばね、この場所から見える地の果ての方はメキシコです。んー、地球を見てるって感じやね。心でかくなりました。
んじゃ、これでサイナラ♪
と、もと来た道をテクテクと引き返すのでした。
途中、一番最初にすれ違ったのは昨日夕方遅くまで話をしたキャンプサイトのホストの女性の方でした。えらく早く凡人が下山しているので驚いてました。
"Big Day !"
と声をかけられましたが、本当にそんな感じでした。
こうして再度小走りに
サッサと下山していったのです。
ああ、登頂はまさにあっという間の出来事でした。
自分がもう麓まで降りてきた時にようやく一般の人たちが登りだしたくらいでした。ここはやっぱし山岳公園。皆、山登るために来てますよ。結構、太った人が多かったので恐らくこの半分くらいの人たちは途中諦めるんじゃないかな?
小さな子供を連れた家族連れの人たちが沢山登ってました。そういえば、凡人、小さかった頃、お父さん、お母さんに山登りとか、色んなところに連れてってもらってたっけ。
”あのときゃー、幸せやったよなー”
Do the Peaks ! 第一弾
ここに無事完了。さー、次は何処攻めようかなぁ。