Backpackの凡人



Bryce Canyonにはナバホ・トレイルというトレイルがあります。
一言で表現するならば阿鼻叫喚。歩くんならこんなトレイルです !!


Grand Circleドライブ、多くはむき出しの岩を目にしながらドライブすることになるんですがこの場所は少し趣が違います。他の場所に比べると幾分か緑が多い。主に針葉樹です。
針葉樹?そうです、この辺り結構寒いんです。高度は2000m程あるんです。Grand Circleは砂漠だろ、と思っていましたがこの辺りは山といった感じなんです。
ですから4月と言うのに結構雪が積もっています。聞けば平均気温はおよそ摂氏0度くらい。寒いとこに来てしまったもんです。でも、この寒さ加減が織り成す景色がここにはあります。水が凍り、溶けそれの繰り返しが、硬い岩を侵食し独特の景色を作るのです。
その場所がブライス・キャニオン国立公園です。今回のラスベガスからの旅行の中で父親が最も行きたがっていた場所で是非、ココに連れて行ってあげたいと思っていた場所なんです。遂にそれが実現しました。

Iowaにて

Bryce Canyonにて
高度2000mとは言いましたが実に寒くて、動くと簡単に息が上がります。密閉されたカラムーチョの袋見てください !! Iowaでは袋に余裕があったのにブライスキャニオンではカラムーチョがパンパンになってしまいました。高いところに来たことをこういう形でも実感しました。
基本的にはこの公園、赤茶けた砂岩が無数の尖塔を形作っていて、それが不思議な造形美となっている場所です。多くはその尖塔をあの方向、この方向から、あるいは高いところから、あるいは間近にといった具合にいろんな方向から見る訳です。

問題はいろんな方向から見る、ということでして、Backpackの凡人としては、最初に目にした時はインパクトは感じたもの、やがて、それだけでは暇をもてあまし、どっちかと言うとBoringな場所だ...と感じはじめていました。Grand Circleにあってはスケールが他に比べて比較的小さめなのです。

確かに景観としては非常に珍しいのではあるのですけれども...
アーチもありました。(が、すでにアーチーズで嫌と言うほど沢山の巨大なアーチを見ていたので贅沢なことに感動も比較的少なかったのです)
ところが、ブライスキャニオンの真価はこの写真に写った場所にありました。ここはサンセットポイントというView pointからはじまるナバホ・トレイルがある場所です。写真の一番暗くなった辺りへと下りていくトレイルです。1周1時間ほどの短いトレイルです。
先の写真ではわかりにくいですが、このようなジグザグの坂道がかなりの角度でもって尖塔群の隙間に下りて行っているのです。最初は何の気なしにここを下りていきました。
少し下りると、やがて尖塔の先っぽと同じ高さまで下りてきました。尖塔が自分の周りをグルリと取り囲んでいてなかなか迫力があります。
さらに下りていくとその尖塔群はやがて自分を完璧に取り囲む状態になりました。トレイルを下りるにしたがって、さっきまでスケールが小さいと感じていたブライスキャニオンがとんでもなくデカイものであることを体で感じ始めるんです。

『ヤッホー』

と声をだせばそれはこの尖塔ホールの中でヤマビコをなします。
とにかくこのトレイル、凄まじい。尖塔が自分に覆いかぶさってくるような感じで自分を取り巻くんです。一歩一歩下りるにしたがって、それは鳥肌ものの異次元空間になっていきました。

『こりゃ、とんでもない場所だ...』
さっきまでBoringとか思っていた自分を尖塔たちは上から見下ろして

『何しに来たんだ?』

とでも言っているようです。
写真にように昼間だと言うのにトレイルは闇の中です。完全にBryce Canyonを侮っていました。ホントに、こりゃとんでもないところです。
と、一番下まで下りていくと驚いたことに、そこには松の木が生えていました。

『何じゃこりゃ?????』

開いた口がふさがらないとはこのことです。尖塔間のこの断崖絶壁にとざされたこの場所に一本松の木。訳、分かりません、驚きました。
ま、ともかくこの松の木が背が高いこと高いこと。松の木の生命力には神々しいものがありました。
このナバホトレイル、この公園では絶対にはずせないポイントです。ここ一つ歩いたことでこのBryce Canyonの印象は一変し、今では

『Bryce Canyonはスゲー場所だ。』

と思っています。まったく、凡人も勝手なもんですネ。ウチの父親も驚嘆してました。よかった、一緒に来れて。嬉。



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