Backpackの凡人




穴があったら潜りたい... そう夢見ていましたが...


Iowaの冬です。(T_T)
とにかく寒いんです。洒落にならないくらいに。当然雪も降ります。雪の量自体はたいした量ではないのですが解けないでいつまでも残っていますから厄介です。雪も山の斜面に降る分にはダウンヒルのスキーを楽しむ恰好の材料なのですが、Iowaは見渡す限り平坦、SkiiというよりはSnow board派の自分には手も足もでません。
冬になり道路の雪をみると長距離運転のやる気そのものをなくしてしまうのです。経験から買い物に行く時間以外には車は地下の車庫に格納してホコリをかぶってしまうような状態だ、ということを感じていました。限りある留学で、このアメリカにあって車を活用しないとは何事か...乗り崩して最後に廃車にするくらい活用しとこう。と、そう思っていました。そこで2003年冬、フロリダに車を持っていきました。フロリダというとオーランドを中心としたDisney World他のテーマパーク、それにマイアミ以南の常夏の地、それくらいのイメージしかありませんでした。Disney Worldもそれなりにいいですが、もう学会等の際に何回か行ってますし、根本的には凡人の本当の趣味にはあわないので、何をしようかと考えていました。
そこでふと目にとまったのが、とあるフロリダの泉の写真(右)です。衝撃的でした。

『このCanoe、空飛んでる...』

一目惚れとはこういうことをいうのでしょう。フロリダの泉を自分で感じてみたい...そう思ってしまいました。本当に全ての出発点はこのたった一枚の写真でした。この写真は凡人の人生で最も忘れられない写真のうちのひとつです。
(実際には順序が前後してしまいますが、この写真を見て、フロリダに冬場、車もって行こうと決心した、というのが正しい順序です。)

色々調べるうちに、フロリダにはMagnitude1(めっちゃ綺麗)な泉が沢山あること、その泉の水はそのままアメリカでSpring waterのペットボトルに詰められて店頭に並ぶいわゆる、日本でいうミネラルウォーターとして売られているくらいのものであること、そして更に
 
フロリダ北部は世界でもCave Divingのメッカであること、が分かりました。

『穴があったら潜りたい...』

そう思いました。調べると、フロリダの北部、中部には深い綺麗な泉があってCave Divingをやるツアーが無数にあるのです。Open Water Diverの自分はたまらなく、この未知の世界に惹き込まれました。
と、Iowaから3000キロ、フロリダに到着。雪の積もるIowaからは想像もできないくらいにフロリダ南部は暖かいところでした。アメリカっちゃー、本当にデカイ国です。
第一に目標の泉に向かいました。もっとキチンとした場所かと思っていたら、このとおりの未舗装道路で、車一台しか通れないくらいの感じです。何度も道に迷いました。
ようやく到着、全くこの一帯無人の場所です。注意書きの看板があります。このとおりです

『救命具を装備する必要はありませんが、自分の責任で泳いでください。』

...............

まったく、アメリカ的です。日本では考えられないような内容の警告です。警告になっていないような気がします。
そして、Caveを抱くこの泉に近づいていきました。
汚い...

が表面に浮いていました。こんな予定ではなかった... こんな場所ではとても泳ぐ気はしません。が、目の前の泉、小さいですが湖そのものがSpring Headになっていて、すぐ目の前で、ズボッと直角にCaveになっています。この場所、仮に水が綺麗であったとしても、ここで入って泳ぐのは凡人レベルには怖い感じでした。だって、全くの無人の場所、しかもここの湖の水に飛び込むと足の届く場所なんて全くなくって、直接深い水中洞窟になっているのですから...泳ぎそのものには問題なんかないのですが、その状況が怖いんです。でも、アメリカ人は沢山の人がこの場所をインターネットで紹介してたんで沢山の人がここに挑んでいる訳ですよ。全く、アメリカ人はどの領域にも凄い猛者がいます。

とにかくここは駄目、駄目。凡人には無理。撤退♪
これは別の場所です。ここはフロリダの北部です。フロリダの北部はフロリダ南部とは全く違ってとても寒くなります。冬場は0度くらいになるんです。フロリダは南北に高速道路ドライブしても8時間以上かかる南北に長い州です。当然、コレだけ南と北で気候も違うわけです。この時も外気はかなり冷え込んでいて、泉からの水が湯気を立てていました。泉の水は常に一定で22度なんです。泳ぐには少々低い水温ですが泳げないこともないくらいの感じでしょうか。というか、外気にふれているよりも、泉に入った方が温かいんですね。ですから、Cave Divingとか、Springで泳ぐのは寒くても年中可能なんです。少し冷たい温泉みたいな感じといっていいかな?ですから湖面からはこの湯気

場所はフロリダの州都Tallahasseeから、ちょいと南の方に行った場所で
Wakulla Springという場所です。この泉は世界で最も深いSpring Headを持っていてそこは洞窟の景観をなしていることで知られます。当然、Cave Divingのメッカの中でも中心の中心とされています。到着した時にはまだまだ寒かったので昼まではしばらく待つことにしました。
確かに、水はとても綺麗でした。水の中では向こう50mくらいは楽に見通しが利きます。

写真はWakulla Spring水面とその上、周囲のジャングルの景色です。
待つ間、泉、そこから流れ出す川の観光案内をする船に乗って時間つぶし。
周囲はスパニッシュモスが生い茂るジャングルでした。ワニとか、亀とか、野鳥,特に水鳥とか(日本では絶滅危機種ですがトキも沢山います。)が沢山いました。よく考えればこんなのがいる場所で泳ぐ訳か?)ワニはアリゲータですから、とても穏やかな性格ですからいいですが...
ちなみに、写真この辺りは、映画ターザンの収録が行われた場所です。
写真はヘビウです。ヘビウはこの恰好でジーッとしています。ヘビウの典型的スタイルです。何していると思いますか?これは濡れた羽を乾かしているのです。ヘビウは飛ぶのがとても下手な鳥です。彼らは水鳥なので水に浮かんで生活するのですが、その泳ぎ方は奇抜そのものです。ハッキリいってそれは潜水艦のそれなんです。というのも、鳥なのに胴体を水中に沈めて首だけ水中に出してまるでネッシーの様な状態でスイスイ泳ぎ回って、さらに首まで沈めて面白いように凄い速さで水中を上手に泳ぎまわるんです。実際に見ると、これ、ヘビウのDivingは本当に面白い。こいつは、飛ぶ鳥というよりも泳ぐ鳥といった感じなんです。それにしても、ヘビウはどこででもこんな格好してジッとして、長い首だけ一定の時間毎に動かしては止まり、動かしては止まりを繰り返す特徴溢れた鳥です。こいつはアメリカ南部からフロリダ全土に住んでいます。

ニョキニョキ首だけを動かすその姿は本当に蛇そのものの感じといえます。
泉そのものから流れ出す水はとても綺麗でした。そして周囲を囲むジャングルの周囲には野鳥が頭の上をグルグル飛び回っています。ここで最深部のWakulla SpringのSpring HeadへCave Diving!
今回の目的です!

が、駄目でした。。。
(T_T)

何故?とも思いますが本格的に上の写真で見てきたようなCave Divingをする為にはCave Divingの為の別のライセンスが必要だそうなんですよ。自分の持っているのはOpen water diverのライセンスです。Open waterそうです、CaveはOpen waterではないですよね。いや、バカでした。もし時間が十分にあれば、免許をCave diverにグレードアップする為のコースに入れば腕磨きながら楽しめるのですがそんな時間とお金はありません。今回は残念ですが
スノーケルで自力で潜れるだけ潜って泳いで楽しむだけ。でもさぁ、思いましたが、これで結構十分ですよ。フロリダの自然を満喫できますし、金は一銭もかかりません。当然、このWakulla SpringのSpring Headの深さ100mの世界まではスノーケルでは行きつけない訳ですから、その世界は想像することだけしかできないのですが...

でも、それでもいいんです。天然淡水のコレだけ美しい世界を目にしながら泳げれば...
そして、そこで貰ったパワーがIowaでチーンと研究する心に火をともしてくれるものであれば... 研究っちゃー、時に辛いもんよ。 この、何処までも澄み切った青空と泉は仔細なことに沈み、曇りがちな自分の心まで澄み切ったものにしてくれました。


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