Backpackの凡人

Snow Fieldを如何にして自分のものにできるか?
2004〜2005年の冬に少しだけ試行錯誤しました。
住まい近くにあるCoralville Lakeという湖に繰り出しました。

氷点下17℃。寒いです。研究室で実験していた土曜日、やるべきことも完了し、数時間の明るい時間がこの日残りました。寒いとヒトというのは何やるにも億劫になります。これは経験的に間違いない。

”よし、いっちょ、一旦、家に帰ってどっか近くで冬、Snow Fieldの訓練やっとくか。”
冬は雪が降ってしまうと自動車での長距離運転が著しく危険になりますので、例年冬場は冬眠状態です。2004年の秋にこの年の冬はSnow Fieldに繰り出すのに必要な道具、知識を整えようと思いました。家でゴロンとTVでも見て怠惰な一日っちゅうのもいいものですが、ここアメリカにはコタツも、甘い愛媛産みかんも、お昼のワイドショーもありません。冬なのですが日本人的、冬の情緒に浸れない環境なんです。

”冬の寒さに負けてチーンと引きこもってばかりもいられんわい。”
自宅周辺にも春には春の美しさがありますが
冬には冬の違った美しさがあります。
自宅目の前のもみの木はさながらクリスマスケーキのデコレーション状態です。もみの木はその葉の形状が雪を捕まえやすく、他の木々よりもいち早く美しく雪帽子をかぶりとてもCuteな雰囲気になります。
自分の部屋からだって彼方此方にツララが目につきます。氷点下10度以下の日々が連日続きますのでこういった環境も当然といえば当然です。
冬場、寒くても時にリスや鳥達は生きる為の糧を求めてSnow Fieldをちょろちょろと動き回っています。
自分も、今までどうにも太刀打ちできなかったこの冬を少し自分のものにできた...と感じれるような風にしたいと思いました。日本に帰国すればこういった本格的冬や雪景色というのには遭遇できないのです。”今でしかあり得ないことを...”という思いはアメリカにいる今、特に強いのですが、そういった感情に駆り立てられて冬をちょっと楽しんでみます。
春の白も冬の白も、自然というのは
美しいものです。
とある方のHome Pageなどでは趣味としてのWinter Camping、Snowfield Campingを紹介しています。Backpackingの道具をちょっと本格化させれば夏同様のことができるのです。冬用の道具類は高価でちょっとお金はかかりますが、一応試してみて価値ありそうなら買い揃えてみようか...と考えてました。
ちなみにSnowfieldではこのように犬を連れた姿、しばしば見かける光景です。そしてカンジキである、Snow shoeで繰り出す訳です。
道具類は夏場と違うのは冬用のテントとマットやシュラフカバー(寝袋保温カバー)くらいのものです。あとは同じ道具で冬でもいけます。

我が町Iowaの更に北、ミネソタ州はアメリカでも最も寒い場所のひとつです。ミネソタは夏場は湖、冬がは雪を楽しむ為のメッカです。冬、ミネソタの人たちは凍った湖上に巨大なテントを張って、中で暖炉とかまで設営し、凍り表面に穴を掘りIce Fishingを楽しんだり...ちゅうことを沢山の人たちがやっているそうです。寒いミネソタなりのOutdoorを楽しむ方法、文化がある訳です。
凡人、少し以前に氷点下10℃きった位で、雪が降っている際に自宅の居間の外にあるバルコニーにテント張りました。笑。Snow Field練習の第一歩でした。何か寒すぎて死ぬ思いがすれば、自宅居間に撤退すればいいだけのことですから最も安全な方法です。この日、寒い中、自宅居間の前の氷点下の世界の中、ガスコンロを使って火をたき、ご飯を炊きました。

不味い...ご飯が全く旨く炊けませんでした。毎回ですが、気温の低い場所での炊飯は非常に非常に難しいです。ご飯美味しくない、水筒に入れた飲み水を凍って溶かさないと飲めない、寒くて鼻水凍る....などなど数ある問題に遭遇し、冬の難しさを痛感しました。冷静に思いました。

”こんなんで繰り出しても楽しゅーなんかないわい。”

後で色々調べましたが自分のような素人の場合は、Winter TentまでかってSnow FieldのBackcountryに出るスタイルを確立させるにはひとつの大きな壁があると感じました。National ParkやNational Forestにはキャビン(掘立小屋)を一般の人に開放している場所が沢山ありますので凡人の場合、そういうところを使うくらいでしょうか。自分の実力からいってそんなもんだろうと思いました。さもなくばモーテル、ホテル宿泊にならざるを得ないだろう...と。結局この年、更に2005年にかけての試行錯誤は冬攻める為の方法として、このキャンプはもちろん、クロスカントリースキーとかまで色々試すこととなりましたが、最も安易でお金のかからないSnowshoeが手っ取り早く冬らしい冬を感じることのできる方法だとかんじました。いかにも凡人です。これなら、カンジキ以外、何の装備もいりません。結局、Snow Field対策に講じた総投資額は36j=Snowshoe代だけでした。笑。やる気なさそうですが、このSnowshoeは実にこの後、新たな世界を提供してくれることとなりました。
雪は降った後が最高です。木々に積もった樹氷、霧氷が最高に美しさを見せるのはせいぜい雪が降った後、半日です。でも問題はその時間、道中の安全の保証がないということです。この辺が美しい景色をIowaのような平坦な場所で楽しもうとする際の一番の問題です。もちろん、ショベルカーが彼方此方から登場してあっという間に雪かきをしてはくれますが、それが十分でない場合、カローラ凡人号は四輪駆動ではないため危ないのです。
アメリカの雪対策のひとつは塩です。こりゃ凄まじい量です。ショベルカーで雪をかいた後、この塩を大量に道路に撒き散らすわけです。雪は溶け、塩のある場所では雪は降っても溶けていきます。この方法、つまりショベルカーと塩でアメリカは冬で雪が降っても町自体としての機能は麻痺しません。
2004年は積雪が特に少なく、この意味での問題はありませんでしたが、
やっぱし、ちょっと雪が降り、雪かきがキチンと完了する前の状態というのは運転には少々怖い感じです。この状態で100キロくらいで突っ走るこの辺の人たちは正気でしょうか?凡人は怖いので出しても80キロくらいです。
雪が大量に降り、雪かき+塩で対策された道の典型的姿です。ベチャベチャの溶けた雪が一面を覆っています。交通量の多い場所であればこれで問題は解決され汚いなりに普通に運転できます。怖い感じなのですけどね。ただ、交通量が著しく少ない場所や、もっと気温が低い場合、これが軽く凍り始めます。そうなると運転が危険なことこの上ない感じになってしまうのです。Snow Fieldに繰り出す難しさのひとつはこの自動車での運転の安全にあります。これが冬、外に出ようという気をそいでしまいます。
それでも、外にくりだすと
今まで目にしたことのない世界がそこにはありました。
おー、単なる排水口が
人工の滝になっとるわい、
更に奥に入っていきます。ここは自宅から10`ほど離れた場所でちょっとした公園があります。
中心に湖があります。Coralville Lakeといいます。これは天然の湖ではなく
Iowa Riverを堰き止めて作った人造湖で、我が町Iowa Cityの水瓶になっています。
このそばに車ちょっと停めて
繰り出しました。今回は黄色い一帯をちょっとだけ歩いてみます。
”おー、さむ ジュル”

当たり前ですが氷点下17℃というのは寒い。衣類、靴は-30度まではいける奴なので何も問題はないとしても、ジッとしていると血流が十分でないのか手の先の方とかジンジンかじかんで来ます。ちなみに日本製のホッカイロを使いました。
Snowfieldをちょっとだけ見る為の道具として買った、Snowshoe。日本でなら全く役に立たない代物ですが、ここではパワーを発揮してくれます。さらさらの雪パウダースノーが心地いい感じです。湿度0の雪とはこうもサラサラで...
夏はいい森林浴だ楽しめますが、冬は何にもないです。この時期流石にこの辺でアウトドア楽しんでる人も殆ど見かけません。
カンジキでザックザックと歩いていきます。トレイル上もですが
冬場は何処でも歩いていけます。Snowshoeが高い自由度を提供してくれます。夏場よりもはるかに色んな場所を動き回れる状態になるんです。特に雪の斜面なんか、夏は絶対に歩いてはいけないような場所でもスイスイ歩いていけるのには驚きます。
チョイと歩くと
目の前に広い場所が広がります。
Coralville Lakeです。
流石に真冬の今、ガチガチの凍っていました。管理人さんに伺った限りは、今年は暖冬でまだまだ氷が薄いそうです。
しばらく、座って景色を...
という気には...なれませんでした。寒すぎるのと、強烈な風です。この日、上空にちょうど西からのJet Streamが位置していて物凄い風が吹いてたのです。寒いだけならまだ問題は少なかったのでしょうが、この強烈な風はたまりませんでした。顔面硬直しそうよ。湖でさえぎるものがないとその強烈な風が身を裂くほどな感じなのです。
その強い風に雪も妙な積もり方していました。横殴りの吹雪ね。
湖際は風でたまらないので、木々で囲まれた場所を
選んで歩きちょこちょこ湖見ていきます。
ま、最初はいいですが冬景色はちょっとやっぱし平凡です。場所を選ばないと...こりゃいかん。
トレイルを外れて歩く時、ウサギや
鹿の足跡だけが自分の前に続くのです。冬の風情でしょうか。でも、何にも動物はいないです。
うーん、冬の木々














































どこかしら

















































寂しげですね。
トレイル歩いても変化がなくどうもいけません。
日も暮れてきてます。
ちょっとだけ最後に目の前の湖の特に狭いこの場所に目をつけました。
夏場ボートで楽しむこの場所は、冬場は凍っていますから
歩いて入っていけます。
ホゲゲ、湖までの斜面途中には鹿の死骸と思われる白骨が転がってました。えぐい写真でスミマセン 滅多に滅多に人目にはつきませんが、この辺ではコヨーテが沢山にます。こういう仕業をするのはコヨーテでしょう。一般にアメリカ人たちは、コヨーテや、ウルフ(狼)というをひとまとめにして”Wild Cat”といっています。ちいさいWild Catがコヨーテというわけです。ちなみにスペルはCoyoteで、発音は”カイヨテ”です。
湖の下まで斜面をテクテクと歩き
遂に氷の上です。氷の厚さが薄いそうですから、はじっこだけちょっと
この場所、夏場はブラックバスや鯉が入れ食い状態です。
この日はやりませんでしたが、ここで釣りを冬にやれば
この場所でのIce Fishing。ワカサギのような小さな魚じゃありません。アメリカの奴は、でっかい魚ばかりです。釣りは完璧に氷が厚くなって安全になってからのお楽しみと、この日夕日のなか氷を歩いて元きた場所へと歩いて戻りました。

”あー、寒かった”

凡人、やっぱ冬は億劫のようですが、この日も日本ではなしえない事ができたかなと感じました。これはこれでひとつです。


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