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2004年秋のことです。えー、今、2005年夏ですから、もうかれこれ10ヶ月くらい前の内容になりますが、一応公開しておかねば...っちゅうことで筆を執りました。2004年秋は凡人が最も長距離運転能力を発揮した時でした。基本的にはSalt
Lake Cityを拠点にして、南北にロッキー山脈を縦断し、果てはサンフランシスコまで行ってロサンゼルス方面へと南下しましたから、今考えれば結構な距離です。凡人愛車、ポンコツカローラ文句も言わずに付き合ってくれて感謝してます。ポンコツカローラの助手席には常にこの地図が広がってました。アメリカ全土図です。今回は特にロッキー北部へと移動してましたから中心となるモンタナ、ワイミング等の地図もちらちら覗きながらの運転となりました。 |
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モンタナは広大です。殆どが牧場だと思います。Iowaなどは少し土地に起伏があるのですが、ここはそれよりももっとFlatです。
丁度、凡人がモンタナに向かった時、恐らく休まずに運転続けて、到着後約1日だけは天気がもつかもしれない、言い換えれば2日後からは雨か雪になると予想されました。1000キロ以上運転してワザワザ1日の為に時間を使うのか?とも思うかもしれませんが、要は少しの体力を使うかどうかだけの問題なのです。基本的には凡人にとって根本的には体力的、時間的、技術的に不可能ではないと考えられるすべての旅が、実行可能なものである、そう考えることにしています。今まで、計画した旅はほぼ全て実行できていますから、つまり自然と自分の限界を理解してその範囲の中でやってるようです。
予想通り、モンタナの天気は非常に不安定で、昼は曇りかと思うと |
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夕方は雲の美しく輝く天気で |
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朝以降は快晴、 |
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ワイミングから連続15時間ほどの運転でモンタナの北部に入りましたが、道路の真っ直ぐさ、大地の平坦さは胸のすく思いのするくらいのもんでした。北部に行くにつれ、左手(西側)にロッキー山脈が延々と連なり、ロッキー山脈沿いを縦走するまたとない機会を味わいました。90マイル/時 |
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高速道路途上、アメリカはポツンポツンと小さな小さなガソリンスタンドを中心とした集落があるものですが、モンタナもそうでした。ただ、なんと表現していいか分かりませんが、Iowa、中西部一帯とは明らかに雰囲気が違います。間違いなくなんか違います。あえて言えば、中西部一帯には全くない西部の雰囲気がかすかに漂っているのです。
もちろん歴史的に考えても中西部以西、Dakota
territoryと呼ばれた領域から西はNative American
(Indian)の住んできた場所で白人の西部開拓の歴史の中でIndian
vs. 白人Homesteaderの図式での戦いのたえなかった場所です。つまり、この一帯は白人とNative
Americanの文化が渾然一体となって今に残っている訳なのです。それが、”なんか違う”という印象になってるんでしょう。凡人は、この場所はPrimitiveながら味があると思いました。 |
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そんな小さな町を通り過ぎて目的のGlacier国立公園へと向かいます。北の最果ても最果て。カナダと公園はつながっており、Waterton-Glacier国際自然国立公園とかいわれていたりします。世界遺産にも登録されてる場所です。Glacierは氷河という意味です。ここは特にアメリカでも一番景観のいい場所で、Backpackerにとって最期の聖地といわれています。大人気の場所ですが、北に位置し、標高も高い為、visitできる時期が限られています。ほぼ、夏だけが中心でその時期に人の波でごった返すのです。ところが、この時期10月、秋。もう公園は来春まで閉園になる直前でした。閉園と言っても公園は一部は開いています。ただし、この公園の中心となるGoing
to the Sun Road、Logan Pass付近へと至る手段がなくなるのです。ですから実質的には夏だけ楽しめる手段の多い場所です。 |
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道路は一路、公園へと至ります。 |
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公園に近づくにつれて切り立った岸壁をあらわにする山々が次々とあわられ始めました。その昔、氷河が鋭く削りだした景色なのです。 |
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大地を削りだす地球のマグマの力、水、氷の演出する世界。自然はある意味芸術家ってとこでしょうか。実に美しい。 |
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やっと到着。凡人、さすがに到着時ヘロヘロでした。
”ハックション”
めっちゃ風が強くって寒いんです。気温はたいしたことないようなのですが風で体温が奪われ実に寒く感じました。Glacier国立公園、氷河国立公園ってことだから、こんなもんなのかな?それにしても寒い。公園には西にレイク・マクドナルドがあって東にセント・メリーレイクがあります。それを東西に貫く形で公園中心を通る道路があります。Goint
to the Road(通称GTTS)です。 |
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このVisitor Centerは公園東側のセント・メリーレイクVisitor
Centerです。数見てきた場所の中でも特に美しいものの一つでした。 |
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季節外れで客も殆どいないのにレンジャーさんは数人待機してます。いくつか質問しましたが、
”今後、雨が降ったらそのままGlacier国立公園、Going
to the Sun Roadは今年一杯は閉鎖されるだろう”
っちゅうことでした。まずい、晴れている今日はチャンス!今日を逃すと雨でもう明日以降、閉鎖されるかもしれない、そう思いました。チャンスは非常に限られていると予想されたのです。 |
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Visitor Center内にはこの場所の生態系とか、この周囲の古来の住民Indianの人たちの生活用品を紹介してたりしました。何処もそうですが、本とかちょっとした土産物とか売ってあります。思ったより、かなり内部は広い感じです。 |
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東側のそのVisitor Centerから西に向かうとそこには東西にひょろひょろと長いセントメリーレイクという湖があります。これは氷河湖、つまり |
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氷河によって削られてできた急激な山の斜面が周囲を取り囲んでいてその底にできた盆地状の場所に水がたまって湖になってるのです。周囲の峰々は |
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実に凛としていて気品があります。切り立つ岸壁はかなりの急勾配で見上げるものばかりです。アメリカのRocky山脈の中でも最も切り立った山が連なる場所だといえるでしょう。そんな山の連なる場所でのドライブ、最高でした。 |
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”うわー、なんだこりゃ。すげー、すげー”
現場でないとその圧倒的な存在感ある山々のことは本当には解らないかも知れません。 |
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ドライブ途中、鹿に出会いましたがのん気に草をモグモグ食べながら凡人号を眺めるだけ。怖がりもしませんでした。 |
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車を降りると、その先には |
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実に出来すぎた光景が目の前に広がります。St. Mary湖の最も有名な景観です。
”ゲージュツや...”
それにしても、この湖の両側を縁取る山の稜線の美しいこと、そして湖の中心にポッコシと浮かぶ(?)かのように存在する |
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一つの島。かなりCuteな島ですね。目立ちます。
Wild Goose Islandだそうな
野生のガチョウが浮かんでるかのようなのでこう呼ばれてきたのでしょう。数本木が生えてますネ。ここにひょっとしてリスとか棲んでるんじゃないでしょうか?
流石にそりゃないか... |
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このSt. Mary湖の東の端の方に巨大な滝があって、その脇からトレイルがSt.
Mary湖、更にその先の滝へと続いています。そこをテクテクと歩きました。 |
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とりあえず時間が限られているので近場だけ。St.
Mary Fallsという滝を見てみることに。往復4キロくらいですから2時間くらいのもんでしょう。このSt.
Maryサイドは東から吹いてくる(Glacierの山々を越えて冷やされた)風でとっても寒かったです。人も殆どいませんでしたし、生物もあまりいませんでした。もう冬もそこまで来てたからです。 |
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このMt. Mary Lakeの際のトレイルは実に水の豊かな場所で気持ちのいいところでした。そのトレイルを |
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トコトコ歩いていくその横には |
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サラサラと小川が心地よい音を立てていました。 |
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場所、場所、沢山の滝があり歩く足を停められます。 |
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やがてそんな森、小川、滝の世界の先に |
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高い山が目に入るようになってきて、その麓にはその山々に取り囲まれた |
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美しいSt, Mary Lakeが姿を現しました。 |
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周囲をとても険しい山に囲まれているその存在感は満点やね。 |
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豊かな水でこの辺はところどころあたかも日本の屋久島かのようにコケに覆われた岩があってポトポトと水滴が滴ってました。 |
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殆ど生物には出会いませんでしたが、途中、唯一ライチョウに出会いました。あとひと月もすると真っ白になるのでしょう。少しだけこげ茶色の体に見える白い模様はその前兆かな?彼は凡人の前をしばらく急ぎ足で歩きながら振り返り、振り返りし、茂みの中に逃げ込んでしまいました。 |
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湖を離れて更に森の中に入って突き進み |
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再度、水辺に出ました。これはSt. Mary Lakeに流れ込む川 |
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めっちゃ綺麗かった... |
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そしてその上流に目的の |
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滝がありました。小さな滝でしたが、実によくできた |
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自然の美だ、とボンヤリ眺めてしまいました。 |
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んー、St. Mary Lake周囲って味わいあるとこでした。 |
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車に戻って移動。Glacier国立公園の背骨となるロッキーの山々をGoing
to the Sun Roadで西から東に横断します。森の中をグニャグニャと走るわけですが、コーナーを曲がる度に |
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目の前に万華鏡のように美しい山が姿を現すこの道路は運転するものの心を虜にします。ここは本当にいいドライブウェイです。 |
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やがて、針葉樹で覆われたタイガの森の木々の丈が低くなり、ツンドラ(コケ)の世界との境界辺りに出ます。非常に高度が高く、木々が生えることのできない場所に至るのです。森林限界点とかいうんでしょうね。森林限界点辺りから景色は広大な雰囲気に満ちてきます。 |
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その辺りの地面はかつて氷河に削られてできたボロボロの岩と平べったい鋭い小石の堆積物です。地質学的にはモレーンとかいうのかな? |
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広大に見晴らす山々の斜面にはいくつもの |
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滝がチョロチョロと流れ落ちてました。これでも数十メートルはあるはずなんですが、遥か彼方に見晴らす景色の中にチョコンと見える感じなのでとても小さく感じます。よーく探さないと気づかない人が殆どでしょう。 |
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このドライブウェイ Going to the Sun Roadとはよく言ったもので |
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確かに自分は |
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天に向かっていると感じました。まるで夢の世界でした。この道路に勝てるドライブウェイはない、と断言したいです。一生に一度はチャンス作ってここGTTSを東西に突っ走るべきです。素晴らしい。 |
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その道路の一番高度の高い場所がLogan Passという峠です。この峠には駐車場、Visitor
Centerといくつかのトレイルの出発点があります。 |
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冬直前、季節外れでVisitor Centerは閉まってました。来年までもう開かないのです。それにしてもこの辺、 |
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すげー景色。
美しすぎ...
周囲に沢山の山があり、その間にきちんと整備されたトレイルがあったのでそれをちょいと歩いていきます。これまた自分は天国に向かって歩いていってるかのように錯覚してしまう雰囲気がありました。
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トレイル周囲には既に雪が一部積もっています。冬はもうそこまで来てるのです。 |
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長年、そんな雪、果てにはそれが積み重なってできた氷河によって削られ続けて、今歩いている自分のこの場所はできた訳です。 |
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信じがたいほどの美しい景色に |
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人の心はぶっ飛びますヨ。 |
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この場所のもつ圧倒的な雰囲気は |
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他の追随を許しません。歩いてて心が空っぽにりれます。簡単に”山があるから登るのだ”といったようなアルピニスト気分になれるんです。ツンドラの高原を歩く時、誰しもが日常の全てを忘れるでしょう。 |
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山間にSt. Mary Lake見えますか? |
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周囲に沢山の鋭いカッコいい感じの山が沢山あるのでそれに目を奪われていると、そんな山間遥か彼方に自分がさっき通ってきたSt.
Mary Lakeがあるのが目に入ります。 |
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その先、ちょっとした森を超え |
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モレーンの堆積したツンドラの高原を歩いていくと、その向こうには |
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峠頂上付近だというのに湖があって |
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とても爽快な場所です。 |
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やがて峠を自分の足で越えたらしく、トレイルは下り始めます。その向こうにはそれまで目に見えなかった |
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別の山が連なっていました。 |
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なんとも、まーこりゃ...(絶句) |
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岩場の向こうはトレイル行き止まり |
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トレイル終点からは周囲を取り巻く美しい山々を広大に遠望できました。遥か下、足元には美しい別の湖が静かに輝いてました。 |
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この雰囲気を持つような山は日本じゃ見れんバイ
アメリカでも今までにMaroon Bellsでしか味わったことのない味わいがあります。この岩の黒と雪の白との縞々模様ネ。 |
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ロッキー山脈らしい味わいやね。
昼飯じゃい♪
どうせ食事するんならレストランとかでよっか、こっちの方が100倍まし。 |
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モグモグ
モグモグ
ん?
山に目をとられてましたが足元の湖を見ていた時、その間際にいる |
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一人の?ん、一匹の存在に気づきました。 |
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おー、この天下の絶景に目を奪われたのは凡人だけじゃなかったんやなぁ |
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静かにジッと景色を眺める山の哲学者ビッグホーン・シープ 彼らっていつも景色のいい場所にいいて、ジッと景色眺めてますね。きっと彼らの目にも景色の写っていて良し悪しはを理解して場所を選んでるのじゃないでしょうか?(んなわけないかもしれんですが。)彼らの住まいは実に景色がいい。
(凡人カメラの望遠能力の限界です...) |
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いやはや、脱帽。ここでは凡人の心は景色にすっかり支配されてしまいました。
ココはほんとに◎ |
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再度、Logan Passの駐車場に戻って |
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その道路向かいにある別のトレイルを今度はチョイと。 |
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このトレイル周囲も山が辺りを |
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支配しています。 |
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目の前に見えてきた山肌を横一直線に貫くそれはGoing
to the Sun Road そのちょっと上の方(写真右側がわかりやすい)に今、自分の歩いているトレイルが延々と続いています。
そのトレイルが |
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! |
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これです。 |
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うわ〜 |
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ココもまたとんでもない美しさ... |
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猪突猛進派の凡人、ここで歩くことをすっかり忘れてしまい、手負いの虎、走ることを忘れたチーターのような腑抜けな存在となってしまいました。
”もー、ここで十分じゃい”
そんだけでした。 |
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思いますが、アメリカのNational Park Serviceって
(人が2人歩いてるのが見えますか?) |
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凄いですね。日本じゃありない。こんなトレイル作っても安全を理由に一般公開できないでしょう。それをなんでもなく一般公開してるんですから。
(人が2人歩いてるのが見えますか?) |
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Going to the Sun Roadに戻って、再度ドライブ。今度は峠を越えて東側に向かい下りていきます。 |
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ツンドラの高原地帯から再度タイガの森の中に入る感じとなります。 |
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でもGTTSは山肌を縫うように走っているので、その向こうに見渡す景色は素晴らしいのひとことです。 |
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対して、自分の道路のある側の上を見渡すとこのとおり、高い山が屏風のように連続して連なり上は雲に隠れてます。 |
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そんな山の直下に巧妙に作られたGTTSはグニャグニャ曲がって進んでいきます。ちなみにこの時期、完全に冬直前で季節外れしたから車は殆ど通っていませんでしたが、季節が季節なら大変な交通渋滞になって動きが取れなくなることもあるそうです。特に先に紹介したLogan
Passの駐車場なんか、車を停めることも難しくなるのです。
ん?
運転している道路、山肌上の方を見てください。 |
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わかりますか?壁に張り付いた白いゴマのような存在 |
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最高にズームアップしてもこの程度ですが、彼らは何処で見てもこんな感じの生活してますね。 |
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マウンテン・ゴートです。彼らいつも絶壁を好んで生活してますが、一体どうやって昼寝とかするんでしょうかネ? |
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GTTSの爽快なドライブ続きます。車の少ないこの時期、道路際のちょっとした駐車スペースに凡人ポンコツカローラ号を停めて |
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景色を好きに楽しむことができました。時期外れだからこそ自由が効くっちゅうのもいいもんだ。うん。 |
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道路サイドに立ち、遠くに雪山を見晴らす時、気持ちは何処までも大きくなりましたが、足元に目を向けると急転直下崖っぷち...
こりゃいかん。怖い... 折角綺麗な紅葉(黄葉?)も楽しむ余裕なし。 |
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と、決死の覚悟でした。 |
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GTTSを更に進み、森の中に完全に入っていきます。 |
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山麓の木々には歴史があるのでしょう。とても高いものが多かったです。が、その向こうに見えるRockyの山々も
空高く凛として聳えていました。おおよそ、自分が知る普通の山とは違って天に向かって突き上げるような感じの山ばかりです。山というより岩の壁という感じです。 |
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遂に山を降りてきてしまいました。Glacier国立公園西側は東側と違ってかなり暖かいです。先にMt.
Mary Lake付近では完全に散っていた紅葉もここでは山々を覆っていました。 |
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山を降りてくると、道路際には川が横を延々と流れていました。 |
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ここもやはり驚異的美しさ。ホントにこの場所って全ての場所で演出が行き届いていますね。まるで誰か著名な演出家が創造したものかのようです。その川は山々からの水を集め、西側の湖である |
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Lake McDonaldに流れ込みます。これもやはり氷河湖です。氷河が削りだしたU字谷の底に水がたまって湖をなしているのです。 |
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Lake McDonald周辺は特に紅葉はいい感じでした。黄色を主体に赤も橙も目につきます。 |
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そのLake McDonaldのすぐ傍にApgerキャンプ場があったので |
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そこで一晩を越すことに決定。周囲を紅葉に囲まれて明太コーンパスタを作り、一晩越すのは最高でした。それにしても、寒かったな,,,夜は0度くらいでした。 あまりに寒くて殆どキャンプしてる人いませんでした。時期外れだとキャンプサイトも簡単に見つかるので楽です。ピークにサイトを確保するのは本当に至難の業ですから。 |
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朝方起きて、Lake McDonald際を散歩しました。日の出前、雲が低く垂れ込めた幻想的景色が今でも心に残ってます。 |
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翌日のこの日、恐らく予想では公園を楽しめる今日が最後のチャンスです。明日以降は天気さそれを許さないだろうと予想されました。再度GTTSで公園中心の横断して |
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今度はMany Glacier Valleyと言うところに来てみました。沢山の氷河のある谷って意味です。 |
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ここのVisitor Centerも、料金徴集所もすでに閉じてました。今年の営業は終了しているのです。それに今日は実に天気が悪い。 |
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この辺は熊の世界です。特に大きなグリズリーベアがいることがわかっています。季節が季節で丁度冬眠に入るくらいの時期でしたが、油断なりません。至近距離で遭遇すればどんな目にあうかわかりません。 |
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予想通り、天気は最悪を極めました。折角来たのに周囲の山は大半が雲に隠れてしまっています。 |
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最奥地の駐車場に来ました。とても広い駐車場だったにもかかわらず殆ど全く人はいませんでした。流石に寒すぎるのです。 |
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今回はIceberg Lakeに行ってみることにしました。名前が日本語にしてみれば氷山湖というなんとも興味を引く名前だったのでそこを選んだのです。情報は少なかったですが行けば何かあるだろうということで |
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出発
看板見ながらIce Berg Lake目指しました。見て見るとIceberg
Lakeまで7.2キロあります。ん?往復15キロくらいか...
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森を抜け右手に山を見据えながら、U字谷の先のほうへと向かうトレイルを歩いていきました。時間は2時、今の季節を考えれば5時過ぎには真っ暗になります。(一応、道に迷ったときのことを考えてヘッドランプを持っていきました。方位磁石は常識です)夏は日が長いためいいですが、冬場はとても日が短く時間との勝負の雰囲気が強まるのです。夜は確実に来ます。時間の問題に加えて |
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別の問題となるのは天気です。実に天気が悪い。どんどんとこの日天気が悪くなっていってましたから、トレイル歩く途中で雨または雪に変わってしまう可能性があります。
広い駐車場に車は自分の以外1台しかありませんでした。ですから、途中、人と出会う可能性はほぼないわけです。何か怪我でもしたらしゃれにりません。しかも熊がいる場所であることは分かっています。
つまり、天気が許せば3時間でなんとか7キロ少々先にある湖見て、夜道をヘッドランプで帰ってくる覚悟で出発したのです。途中、雨になれば撤退しようということで。これは結構な決断でした。普通に考えれば登り道と言う状況を考えれば完璧に実行不能なのです。 |
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体力、時間のゆるす範囲で最大限の体力勝負をする、これがいつも凡人旅行の根底にあるコンセプトです。
この線で最大限考えたとしても、今回の”夕暮れ残り3時間登り道往復15キロ、雨天可能盛大”の言う条件はあまりにも厳しすぎるのです。90%くらいの確率で無理だと思いました。
でも片一方で別の声がしました。
”お前なぁ、今、Backpackerの最後の聖地に来てるんだぞ!一生の中で再度ココに来れる可能性はハッキリいってないかもしれないんだぞ。”
この声はハッキリ言って自分の気持ちそのままでした。無理とわかって、このMany
Glacier Valleyの奥地Iceberg Lakeを目指しました。 |
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一帯はいかにも氷河によって削られたと思われるU字の形をした谷です。谷底は針葉樹林に優しく覆われていて静かな雰囲気に満ちています。ところどころ小さな白いところが見えます、これって多分これでも氷河なんでしょう。実に小さい... 氷河としてはアラスカのそれをも見た人には受け入れられない感じだな... 小さすぎて |
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とにかく走りました。途中、ズーッと体力の限り休まず走りました。時間がない(日が暮れる)、雨がいつ降りはじめるかわからない、走らざるを得なかったのです。途中、川があり橋がかかっていましたが、橋まで回り込むのが面倒でトレイル外れて岩場をぴょんぴょん飛び超えて先を急ぎました。ちなみにうちひとつ、この左下の写真の場所で岩が水で湿っていて滑りやすくなっているのに気がつかず飛び降りたものですからバランスをこわし、前のめりに手をついてしまいました。前のめり=カメラ持った手をそのまま岩にぶつけた訳で、カメラの電池の蓋が壊れてしまいました。(T_T)
これまで何回も何回も同じように落としたり、物にぶつけたりしてきたのにもかかわらず(数知れず傷つきましたが)正常に動作してくれてたのに、今、ここで”常に電池の蓋を手で押さえておかなければ動かなくなってしまったのです。悲しくて仕方ありませんでした。凡人の身勝手で途中急ぎすぎてカメラを壊してしまったのです。大切にしてきたもの(デジカメ)にそういう仕打ちをしてしまったことに自責の念を強く感じました。
ゴメン... すまんことした
心の中でカメラに謝ってました、が |
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やはりトコトコ休まず走りました。トレイルはどんどんと登り、壮大な高原を走っている雰囲気になっていくのが堪らなく素敵な場所でした。 |
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ところどころ、U字の谷の斜面には小さな氷河が見えています。これこそMany
Glacierの味なんでしょう。この手の小さな奴は沢山ありました。
U字の谷、氷河の後姿はひとつではなく |
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いくつもいくつもあって、それがここでは縦横無尽に交差してます。かつて、この場所には氷の流れが幾筋も会ったことを証明しています。 |
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かなり来ました。走り続けて思ったよりいいペースのようです。この場所の最奥地と思われる場所が目に入ってきました。最奥地は屏風のような山が延々と連なっています。あそこがかつては氷河の出発点、氷原になっていたのでしょう。今、自分が走っている場所はかつては氷の下だったはずです。足元は明らかにモレーンです。岩肌は削られてできたんでしょうガサガサしてました。 |
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走りに走って、途中何にもありませんでしたが、ようやく何か看板らしきものが目に入りました。見てみると... |
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Pit Toilet
掘り便所...
時間ないので行きはしませんでしたがアメリカにも日本のように古式ゆかしい掘り便所があったのか..と心でブツブツつぶやいてました。きっと、とてもOpenな便所なのでしょう。何の仕切りもない。笑
これこそBackcountryだ。 |
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ゼエゼエ...(きつくて息切れしている)
おっしゃ、半分以上来てたぞ。不可能を可能にするいいペースだ! |
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どんどんと無我夢中で走りました。必死でした。最深部になにやら雪の塊が見えてきました。きっとあそこら辺に湖があるに違いない!!! |
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でもさぁ...
ココまででしたよ。
残念でしたけどね。 |
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雨が降り始めたんです。撤退の条件のひとつとして雨を考えていました。というのは、雪に変わる可能性がある(十分な防寒具がない)、雷がいつ襲撃してくるかわからない、トレイルが泥だらけになって走れる状態ではなくなる、という状況を意味するからです。一旦ぬれたメガネは体温で容易に曇りメガネかけると先がよく見えなくなるような世界でした。悪条件には悪条件が重なるものです。 |
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撤退途上、トレイルは雨で濡れてました。周囲は雨が霧のように舞い、景色は見通しの利かない状況でした。 |
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目標設定して無理だったときというのは本当に悲しいものです。道すがら曇りきって見通しの効かない景色は凡人の心を反映してるかのようでした。
ああ、Glacier国立公園での時間は終わったな...
本当に残念でした。とりあえず、怪我しないように、道に迷わないように先を急ごう... 道すがら人はおろか、一匹の動物にも出会いませんでした。ひとりぼっちで雨の降りしきる夕暮れの山道を進む... 楽しいはずありませんよね。 |
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でも、無事に到着できたのは本当によかったです。凡人カローラ号が首を長くして凡人を待ってくれました。
今帰ったよ! おお、可愛い奴だ!
カメラの中にも水が浸入しレンズが内側から曇って写真はこの通りでした。 |
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途中、凡人を雨から守ってくれた雨合羽を後部座席にポイポイと脱ぎ捨てて
”あー、無事に帰りついてよかったぁー”
心底そういう風に思いました。撤退の判断は雨が降り始めてから早かったのですが、雨具を着ていても雨で徐々に失う体温のために低体温症になることを最も恐れていたのです。寒かった...雨に濡れきってました。外気はタダですら寒いのです。凡人カローラ号の中で暖房を最大にして体を温め
”助かったぁ...”
という安心感に包まれ、身体の力がフッと抜けてしまいました。そのくらい途中、気を張ってたのです。
”カローラ君、待っててくれて、本当にありがとう” |
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凡人カローラ号はどんな状況でも凡人を守ってくれます。凡人最強のパートナーなのです。 |
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ともかく天気は悪化の一途、早くこの山中を抜け出さなければなりません。山の天気は怒り狂うと手のつけようがなくなりますから。
突っ走りながら |
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道路はところどころ雲の中に突入したりしながら、それでも休むことなく先にすすみました。 |
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山を抜けて平地に出ると天気は穏やかでした。(モンタナのHighway際のレストエリアはアメリカで一番Primitiveな雰囲気してますね。)それから6時間走って、ようやく |
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何もない世界に町の光が現れて、凡人は本当の意味で助かったと思いました。Glacier国立公園周囲はあらゆるホテル、店等ももう来春まで閉じてしまってましたから、悪天候のGlacier国立公園にいる限り生きた心地がしなかったのです。
Glacier国立公園はこの年2004年、凡人が撤退した翌日からGTTSは閉鎖され、公園は来春まで休園状態となったのです。状況を考えれば、これが今回できる最大限だったのだと思いました。 |
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もしね、天気がよかったらさぁ
Many Glacierってのはこんな感じで目の前に広がって、その先に |
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湖があるはずだったんだよ。湖に浮かぶ沢山の氷、きっと周囲の急な岸壁から落下してきたものなんでしょうね。それが浮かんでるんです。
そう、これが氷山のように見えます。だからIceberg
Lakeなんですね。見れなかったけど、自分の目指した先にあったであろうこの景色に遥かな夢を持ちました。
近いようで遠い
夢と地獄は背中合わせ
そんなもんのようです。 |