Backpackの凡人



アメリカ西部、そこはサボテンのむらがる舞台
西部劇は今でもそこで脈々と語り継がれています。


2004年冬です。アメリカの冬は寒い。全てのやる気をそぐくらいのものがあります。この冬、我がポンコツカローラはアメリカ南部、特にPhoenixに長いこと駐車していました。全てのやる気をそがれても温かい車のある場所へ飛んでいけば少しは無意味なやる気も出るもんです。週末毎に飛行機で来て温かく雪もない南部一帯を走り回りました。Phoenixのことは詳しくは知りませんでしたが実は100万人弱の人々が住むアメリカ有数の巨大都市です。飛行場は確かに立派でした。そして素晴らしいのは空港Economy Parking一日3ドル。これなら長期駐車しても経済的です。
Phoenixから南に2時間、Tucsonの町の傍にSagaro国立公園という場所があります。思ったよりかなり寒く、テント生活はあっさり諦め、近くのモーテルで一泊の後、朝6時くらいから行動開始しました。
日の出前です。Sagaroはあの巨大なサボテンの舞台です。地球上でアメリカのこの周辺、ソノラ砂漠一帯にしかこのサボテンは存在しません。でもその存在自体は西部劇で紹介されて以降、多くの人が知っているはずです。この辺り年間晴天200日以上、年間平均気温30度、降水量Total 200mmもない場所です。このサボテン高さは15mくらい、こんなに巨大とは思っていませんでした。
日の出前のトワイライトに浮かび上がるサボテンは神々しい感じがしました。
やがて朝日は周囲の山の頂上からあたり一帯の大地を照らし始め、
この日一日が始まりました。
爽快な朝です。
突っ走る道路沿いには
あっちにも
こっちにも
サボテン♪
ニョキニョキと大地からそびえています。
サボテン表面はこんな感じです。一つ一つのヒダも結構大きく、トゲもこのとおり。
それが周囲の大地一面を
覆っています。
サボテンの種類は豊富でいろんな奴が目に付きます。
なかにはこんな妙な奴もありました。
こいつは、先の巨大なサボテンの赤ちゃん(左)と子供(右)です。なんとなく可愛らしいですね。この子達が立派なサボテンに育つわけですが、成長しきった15m超のサボテンは一回の雨で数百Lの水分をスポンジのような体内に蓄積するのだそうです。それがこの乾燥しきった厳しい大地ではぐくんできた彼らのしたたかな生き方なのです。水分を沢山溜め込むのに巨大になる必要があったのかもしれません。
ドライブはそんな舞台を進みます。
右も左も
大地も山もサボテンだらけ
全くもって異様でした。笑
そんな舞台を尻目にチョイと先に進みます。周囲には広大な台地が広がり
巨大な岩が山のようにそびえていました。
途中、高速道路に入る直前にHighwayパトロール2台を発見。ワザとこの2台の間に割り込んでやりました。笑。

ウッシッシ

と思っているとその先1時間ほど走ったところで
別の警察検問の逆襲にあいました。笑。途中、メキシコからの違法滞在者をチェックする検問所なんです。この2004年の冬、ごく最近こういう国境警備隊が配備されたそうです。知りませんでした、Unluckyです。凡人はIowaで大学に勤務していると状況を詳しく話したら素通りできましたが、新聞記事によれば日本人滞在者数人がこの辺で一時身柄拘留されたそうです。実際に自分も

『次に通る時はパスポートとImmigration documentを持参しておきなさい。でないと問題が生じる可能性があるよ。』

といわれました。アメリカ、特に南部一帯の旅行の際にはアメリカ国内であってもパスポートを持参すべきだと、痛感させられました。
ま、些細なそんなことは忘れて再度ドライブ
到着しました。Tombstonの町。小さな町なのですがOK牧場がある場所なんです。
OK牧場というのは歴史的に西部劇の撮影がなされてきた場所なんです。知っている人は知っていると思います。
町は確かに他とは違った雰囲気をもってました。
中心はこんな感じなんですが
なんだか、観光化されてて俗っぽい場所でしたが、まーいいか。西部劇の本場ですから。
土産物屋さんが沢山ありました。ビンテージものの超高価な馬のサドル(鞍)が売ってありましたが誰かこんなもん買うんでしょうかねぇ?今思えば思い出に本場のカウボーイ・ハットのひとつでも買っとけばよかった。
近くのカフェ(左上のSaloon)の前には馬がとめられていました。今の時代の車とかバイクのようなものなのです、この場所では。かつて100年ほど前まで、この西部一帯の日常の光景はこうだったそうです。信じられませんが本当なんです。

街中を闊歩する人達は西部劇そのままの感じでした。アメリカ人はこういうのを見ると誇りを感じるようです。これがAmerican Spritだ、って感じなのでしょう。
街中の人達も一味違います。この辺りの日常は今でもこうなんです。Texas〜New Mexico〜Arizona等のアメリカ南部の人達は、こういった感じのある意味彼らにとって”古きよき時代”をとても大切にしています。一般のヒトが好むような”便利さ”とか、”効率”とか、そういったものに支配された現代的生活なんか全く気にもしていない人達が実際にいるんです。いわゆるアメリカの保守層の際たる人達です。ま、そんなことは置いておいて
OK牧場に来ました。
本場のなかでも本場の西部劇の舞台です。
西部劇はアメリカ人にとって日本人のサムライ時代劇のようなものだと感じます。アメリカ人達はこうして西部劇が目の前で再現されるのを見ると歓喜の声を惜しみませんでした。
当時、西部の荒くれ者たちは

道端で酒を飲んだくれてフラフラしたり
あるいはバーでラフに酒を女性と楽しんだり

怖い感じ〜と思っていましたが

実はいい人みたいです。
バーテンで静かに怪しく酒の入ったグラスを傾けたりして
気がつけば喧嘩けんかの繰り返しだったのでしょうか。殴り合いのうちはまだいいですが
ここアメリカ西部ではコブシだけでは終わりません。
カーッと頭にきたら、

バキューン
一撃のもとに殺しあってたのでしょう。あるいはお互い誇りあるもの同士はガンマンとして決闘をしていたに違いありません。それが西部劇が語り伝えているように真実だったんだろうと思います。
牢屋に何回閉じ込められようと

『ケッ、ちょっとブタ箱にしばらく行ってくるぜ、待ってな。』


って感じの日常が少し前のこの辺りでは日常だったのか、と想像するのはなかなか楽しいものでした。
Tombston

実に味のある場所でした。
こういった西部劇そのままの世界が
ここでは今でも残っています。これもまたアメリカの一側面なのです。


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