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それは2003年の8月。例によってNHKの番組を見てました。内容はカナダのハドソン湾に望む小都市チャーチルについての番組でした。自分はそれを見た瞬間にスッカリその都市の虜になりました。何が何でも行こう、そう思ったのです。9月上旬、気づけば飛行機、ホテルの予約は完了してしまってました。
そして10月の終わりにIowaを出発しました。Iowaでも本格的冬が始まろうとしている時期。例によって長距離運転です。目的地はカナダのWinnipegここから飛行機に乗ろうと考えたのです。片道12時間の運転でした。 |
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カナダ、アメリカの国境です。すんなりとmy
carもろとも通過。
(そういえばカナダで通用する運転免許証もっていなかったぞ??) |
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Winnipeg到着しました。結構寒かった。軽く氷点下でした。時間がありましたので少々モールで暇つぶしです。 |
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モールの中は暖かく半袖OKの状態でした。Open
Spaceで日差しが取り込まれるとても明るい店内。モール内は緑豊かでオーガニック食品やら、生鮮野菜、フルーツが山積みになってました。2階にはお土産やが軒を連ね、目を引くところでは毛皮製品が山のように安く売られていました。Iowaとは大分違います。 |
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そして時間にWinnipeg空港に向かい飛行機です。目的地Churchillまでは道路はなく運転で行く手段はありません。そこに至る方法は2つだけ。
VIA鉄道(片道2日半かかる)
飛行機(Calm Air, Air Canadaの2個がある)
今回は電話で予約していたCalm Airの利用です。 |
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ちなみにWinnipeg⇔Churchill間にジェット飛行機はなくプロペラ機のみです。座席は早い者順で適当に座るようになってました。 |
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んでもって、この方は適当に座った隣のおばさんです。
『なんか、日本人的だな...』
そう思って座っていましたが、途中でどんなキッカケからか話をしました。おばさん、イヌイットの方でした。家に帰宅中なのだそうです。笑。話せば驚きの連続でした。寒い場所での生活、摂氏−40℃くらいなんのそのだそうです。そして食事にはアザラシを捕まえて食べているそうでした。アザラシの肉は脂がのっていて美味しいよ、とそうおっしゃっていました。いやはや、驚きました。 |
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曇りで外は殆ど見えませんでしたが、チャーチル到着の機長案内と同時に飛行機は降下していきました。そして雲を抜けたその瞬間に目に入った光景に驚いたことを今でも鮮明に思い出します。飛行機の窓の外には果てしなくツンドラとタイガが広がっていたのです。中学生以来、ツンドラとかタイガとは言う言葉だけは地理で学んで知ってましたがそれをめにして仰天しました。まったくもって不毛の土地、白、黒、灰色だけの世界。なんだか、タイガ、ツンドラのおりなす、この光景がdishの上に広がる細菌コロニーかのように一瞬思ってしまった。とにかく知ってはいてもこの光景は想像できず驚いてしまいました。 |
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そしてChurchill到着です。空港はこれまで見てきたどの空港よりの小さく、ハッキリ言ってプレハブ程度の建物でした。
『だ、大丈夫かぁ?』
そう思いました。空港内に入ると、エスキモーの生活用品やら白熊の剥製やらが置いてあります。遂に来てしまったそういった感じでした。 |
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到着は夕方でChurchill motelという宿についた頃にはスッカリ日も暮れてしまいました。この写真Churchillの目抜き通りです。笑。何にもないところです。この町自体、人口800人ほどの小さな小さな町なんです。宿5,6件、学校1個、町役場1個、シェルター兼(!)体育館1個、レンタカー屋さん1軒、スーパーマーケット1軒、レストラン2軒そのくらいのものだと思います。この場所、余計なことをしている余裕のない町なんです。なんたって寒すぎる。 |
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時間が時間で腹ペコでした。何か食べないといけません。とまったChurchill
motelの目の前にこのような店があります。この目抜き通りでも一番派手です。見れば
Trader's Table
と書いてあります。交易業者用の食卓そんな感じだと思います。店の前には船の帆の骨格があっていかにも怪しい雰囲気です。
『ゴクリ』
こんなところで食事??ちょっと恐ろしい気がしました。お化け屋敷へ食事に行くような気分です。でも周りには他に何にもないんです。覚悟を決めました。 |
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店の前には本日のお奨めが紹介されています。
”バイソンステーキと白身魚”
バイソンだってぇ?? |
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でもって、覚悟を決めた以上、店に入ることにしました。でも、入り口らしきところがないんです。
『おかしなぁ?どっからはいるんだ?(キョロキョロ)』
左の写真のような扉とおぼしき場所だけです。扉はガシャガシャと金具がついてます。ドアノブとかそういった上品な物ではありません。。。ドアを開けてみました。が、開かない??力いっぱい押しても開きません。
『おかしいなぁ?』
本当にあいているのか心配でしたがOpenのネオンが一応あって開いてるはずです。ドキドキ、不安で動悸を感じます。でも覚悟を決め殆ど体当たりするような感じで押しました。
『ギイィィィィーーーー』
呆。中にはこんな感じのテーブルがあって結構広いです。10テーブルくらいはあるようです。
"Can I help you ?"
ホッとしました。レストランのようです。 |
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ウェイトレスさんに席へ案内されてメニューをもらいました。
『フウー、よかったぁ』
と席について周りを見て...
........
唖然としました。まるで博物館のような状態です。(このページで一番上に紹介した写真もTrader's
Table店内の様子です。)なんだか、一度にまとめてこれまで経験したことのない状況が連続し完全に時空間トリップしてしまいました。ここが現実世界かどうかですらちょっと信じがたいような感じなのです。映画”千と千尋の神隠し”全くそんな感じなのです。
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かなり遅い時間にこのレストランに入りましたが店内には一応、他のお客さんはいます。周りに一応人がいるのでここは現実世界なんだと再認識はしますが、やはりなんかとんでもない場所です。 |
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そして、今日のお奨めである”バイソンステーキ+アークチィックチャー(この辺の白身魚)”を頼みました。美味しかった。とても美味しかった。なんでもこのレストランには運がよければ猟師さんの成果次第でトナカイのステーキやら、はたまたムースのステーキやらが食べられるのだそうです。
このTrader's Table、今ではChurchillでは目玉となる場所だと思っています。 |
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Trader's Tableはその隣にArctic Trading Company、日本語で言うところの北極交易会社という店を経営しています。名前はゴッツイですが、ここはChurchill随一のお土産やさんです。店に入ると小さな犬が2匹、ワンワンと足元に駆け寄ってきました。そして店の中央にはコレです。 |
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白熊の毛皮。。。こんな物が売ってあるんです。いやはや、とんでもない場所です。他にもキツネの毛皮(キツネの形してます。限りなく生ものに近いです)、本皮のモカシン等とても珍しいものがここには売ってありました。後に判りましたがこの店もまた、Churchillに来た人であれば必ず行く場所です。ちなみにこれらのTrader's
Table、Arctic Trading Companyを経営する女主人さんはハドソン湾から海運でチャーチル港に輸入、あるいチャーチル港から輸出するものの交易をやる方でした。たとえばカナダから世界に向けて輸出される小麦粉の殆ど全てはここの女主人さんの手によります。笑。スケールのでっかいことでっかいこと。Arctic
Trading Companyはもともとそのための場所だったそうで、実際にはお土産やさんは副業としてついでにやっている程度のものだそうです。
ちなみに、この店から出たときにはオーロラが天を彩っていました。緑色してゆらゆら、ゆれていたんです。凡人のカメラの性能では写真GETできませんでした。ちなみにオーロラ(Northern
light)は3日滞在中2日見れました。とてもラッキーだったと思います。 |
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翌朝とったArctic Trading Company、土産もの屋さんの写真です。看板の周りのムース、カリブーの角がこの場所がどういう場所であるかを端的に物語っています。ムース、カリブーを狩猟でもって捕まえて、その肉で生活するのはこの場所Churchillでは日常のことなのです。それがこの場所なりの生活なんです。世界って本当にいろいろだと思います。自分が平素、目にして生活している物、当然と思っているものは世界的にはある一側面でしかないこと、世界標準でなないこと、それをこの場所では実感できます。そのくらい全てが違うんです。
このChurchillへ旅行すれば、誰もが自分日常生活の世界から開放されて、異次元空間へとトリップしてしまえます。 |
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そして自分はムースの角をこの店で買ってきてしまいました。2003年のクリスマス、ウチの実家にこの角が到着し、さながらトナカイがクリスマスにやってきた感じだったはずです。Churchillのお裾分けです。
さて次はChurchillの自然を紹介しましょうか。 |