Backpackの凡人



人って、こんなに小さいのか...

『うわ!なんだこりゃ!!』

牛です。彼らは夜中、目が見えているのでしょうか?道端の草を真夜中もムシャムシャ食べています。2004年秋、ユタ州の運転途上のひとコマです。翌日のCapitol Reef行きに向けて近くのキャンプ場まで移動していました。
エルク・ホーンという場所のキャンプサイト目指しました。この看板から以降、未舗装道路を真夜中の運転です。8マイル=13キロくらいです。少々距離ありますがそこに向かいました。
『うわ、今度はウサギかァ...』

道すがら、野うさぎが自分の前をピョンピョン飛び跳ねて行きました。ウサギは目が悪いのでしょう、自分の車のヘッドライトが照らす方向に飛び跳ねていくのです。トータル5分ほど、自分の前をピョンピョン飛び跳ねていきました。まるで案内してくれているかのように...

キャンプ場についたのは夜中の3時半、クタクタでした。たかが8マイルでしたが、未舗装道路でいやに時間がかかったのです。それからキャンプ場でテントはりましたが風が無茶苦茶に強く、とても寒かった...テント吹き飛ばされないようにペグをいつもの2倍使ってシッカリ固定しました。寝袋に入って、最初数分は風の音が怖かったのですが、運転に疲れ果てて、何時しかねてしまいました。
翌朝、起きると昨晩の風はだいぶん止んでいました。かなり辺鄙な場所でしたし、寒いのでこの日、キャンプ場にいたのは自分だけでした。
朝、ご飯炊くのが面倒だったのでこの日はパスタ。あっと言う間に完成。

ペロリ

さっさと朝食済ませて出発したのは
朝の7時くらいのことでした。再度、未舗装道路を運転です。
このキャンプ場の傍にCapitol Reef国立公園の一部であるCathedral Valleyという場所があります。基本的には4WVで行くのが望ましいとされている場所です。道路は当然、未舗装ですし状態が良くないのです。凡人は4WVなんかもっていません。

あれ?今、このサイト作りながら気がつきましたが、車の前、真ん中のToyota印のエンブレムがなくなってますね。笑。
我がポンコツ愛車はカローラです。はるばるIowaから3000キロ運転してここに一緒に連れてきました。

『レンタカーだったら、未舗装道路では保険がきかないので、このCathedral Valleyには入っていけない。自分のMy Carだからこそ、あえて無理かもしれないけど行けるんだ。車が途中動かなくなったら、食料、水は大量に積んでいるから死ぬことはない。車は壊れてもいいから、ここは一生の記念に入っていこう。』

と、計画的な、でも無茶な突貫工事に出発しました。
やがて、目の前の丘の先に、Cathedral Valleyが広がりました。
そこは、4WVの為のオフロードの聖地です。が、今回はポンコツ・カローラで突進♪
途中、何回も車の下を地面にぶつけるのを感じ、やばいな、とか感じながら先に進みました。でも、5キロほど進んだ先の道路の状態は手入れは行き届いておらず、道は凸凹、結構大きな石は落ちているといった状態でした。

『こりゃ、やっぱしカローラごときでは無理だな...』

やっぱし4WVではいるべき場所です。残念でしたが諦めてしまいました。やっぱし、オフロードはそれなりの車の準備が必要です。
一応、タイヤにパンクされると凡人困るので、タイヤの空気圧のチェック。

『問題ないな。よしよし。』

まだ、長期的展望ではこの後、San Franciscoまで移動する予定ですからここで車にお陀仏になってもらっては、やはり困ることは困りますから一応、OKであることにホッとしました。このタイヤ空気圧チャック用のプレッシャー・ゲージはアメリカ長距離運転の際には必須です。タイヤは長距離の高速道路運転ではしばしばパンクします。凡人も日本で一度、アメリカ(実際にはカナダ爆走中)で一度づつ、完全バーストを経験したことがあります。今のタイヤはよく出来ていてバーストしてもタイヤの形状を保つため、車はバースト後も普通に走れます。でも、タイヤ交換は時間かかりますし結構面倒です。

馬です。車で馬いれる巨大な荷車ひっぱっていくのです。
この手の車はアメリカでしょっちゅう見かけます。
馬持っている人なんか何処にでもいるんです。
この西部ユタ州はそういうBackgroundのある土地です。

荷台に乗せられているのはオフロードバギーです。
全長2m、高さ50cm程度の大きさ。
アメリカではこれ、新品100万円くらい
中古だと数十万円くらいで売られてます。
こういう、オフロードでは4輪駆動の車が基本ですが、ここユタの人達は馬やオフロードバギーとかでこういった場所を楽しみます。いろんな楽しみ方を彼らは知っています。
自分の馬連れて、チョイと週末一緒に出かける。こういう人達なんですね。この辺りの人たちというのは誰でも。日本では考えられないLifeスタイルですが、広い世界では何でもありということです。日本が全てではありません。
自分には4WVも、馬も、バギーもありませんから、この厳しいCathedral Valleyは撤退
昨日運転してきた舗装道路にまで一度戻って、Capitol Reef国立公園の本道へと向かいました。この辺、とても乾燥していて砂漠、サバナという感じの場所なのですが、こういう場所でユタの人達は

。昨晩と同じく道路歩いてます。
柵くらい作ってほしいものです。

西部劇といえば馬
この辺はこいつらの舞台です。

アメリカではあまり見かけません
です。ここには沢山いました。
牧畜をして生活していました。もともと200年ほど前にヨーロッパから、この西部一帯へと移住してきてこういった生活をしてきたのでしょう。
牧畜で生計を立てて、静かに生活する。なかなかそういう生き方も悪くないのかもしれません。
牧場を抜けると、そこはこのとおり
広大なアメリカ西部。
砂漠、岩を中心とした世界です。
そんな場所に今回目的のCapitol Reef国立公園はあります。
そこは赤い色した
岩の壁が
屏風のように連なる世界です。デカイのなんのって。
やっぱし、アメリカは凄い...
そんな場所をドライブしていると
レンジャーステーション発見。
ここで情報入手して数箇所見所をチェック。
先を急ぎます。
岩の世界を、車と
足で進んでいくと
そこには巨大な谷がありました。
コワ〜 見下ろすと深さ500mだよ...
ま、もっとでっかい谷ならCanyon LandsGrand Canyonにもあります。ここcapitol Reefではこういった谷はOne of themです。見所は別にあります。再度、運転して別のポイントに。
あら、途中珍しいことに果物畑が公園内にありました。時間があれば寄っていっていろんな果物を自分で取って買い取り、食べることが出来ます。季節は秋でしたのでいろんな果物の季節でしたが今回は時間がない。結局、立ち寄りませんでした。が、アメリカの国立公園で果物狩りができるのは此処だけです。
巨石を目にしながら、園内の未舗装道路に突入。
整備きちんとされたその道をどんどんと進んでいくと
砂漠なこの場所に珍しく川があって、そこには木々が集まっていました。丁度、この場所の秋色の季節。
でも、道路はその川に見事に遮られていました。

『オイ!これじゃ進めんやないか。』

撤退です。これは4WVでなきゃ、無理。
園内の本道に戻って先に行くと
『おー、砂漠なのにこんな場所に鹿が...』

ま、川がそばにありますからこの一角だけが緑豊かなのです。その川を中心に緑、生物が集い、そこを岩の芸術が取り巻いている場所です。
途中とあるトレイルを歩くと
それは徐々に
自分を岩の世界へといざないます。
途中、岩の下を
潜り抜けながら先にすすむと
岩の支配する世界に突入
アメリカの西部は
こういう場所です。
あらら、こんな場所にもアーチがありました。
ま、でもアーチならこの場所の東300キロ彼方のアーチーズ国立公園に嫌というほどありますから、これも此処だけのものではないです。この場所の見所はもっと別にあります。さらに紅葉(黄葉かな?)を目にしながら別の場所に入ります。
Capitol Reefでもっともよく見かける景色はこんな感じの岩の屏風です。この岩の屏風の下の方には写真のように風化されて崩れていく石、砂の斜面があります。
そこの石というのは写真にすると小さく見えてしまいます。それはその向こうにある岩の壁が余りに巨大だからです。例えばこの写真の石は一個10mくらいあります。普通に考えれば、これは岩という表現が適切なのですが、コレくらいの岩は石に見えてしまうんです。
だって、ここでいう岩はこういう高さ数百mの奴でしょう。この場所ではネ。デカイ場所です。ホントに。

この場所、Capitol Reefです。この公園の中心ってことかな?
この写真の辺りの先の方、写真中央の谷間の先の方に道路があります。そこを今度は進んでみました。
そこは岩が周囲を取り巻く
凄いドライブウェイでした。
最初は

『おー、凄い凄い。』
と思って運転していたのですが、
そのうち、

『..............』
あまり凄くて絶句するくらいの巨大さで自分は岩に取り巻かれてしまいます。凄いドライブウェイです。
その一番奥には駐車場があって
そこからトレイルが更に奥へと伸びてます。
『うわ〜〜』

なんちゅうところや...
とにかく周囲の岩岩は巨大のひとこと見上げるものばかりです。
このトレイル際限なく続いていて
歩いても歩いても谷、谷、谷
そういったDeepなDeepな
Backcountryにいつの間にか入っていけます。
ある地点から先は
自分の責任で歩いていくことになります。
トレイルや
道があるうちはいいのですが
その道がなくなって岩の上を自分が歩き始めた時
そこは自分だけのBackcountry
Backcountryを楽しむことは全て自己責任で行うべきことなのです。

今回はこの小さな水溜りを見たところで何故か

『もう十分だ。撤退しよー。』

と、
凡人の自分はあくまで凡人でした。撤退、撤退。

※写真の人影、わかりますか?
だって、このBackcountryに本当に出て行くのなら、相当な準備、特に大量の水が必要だからです。凡人は今回は物臭太郎、Backpackしょって出て行くのはやめました。

『だってさァ、ドライブでも十分に凄い場所だもん。』

と手抜きな考えのもとに先に進めば
そこには秋色が広がってました。
綺麗です。黄葉ですね。
最後に向かった場所はGrand Washというところ。
この出発点辺りの一角には、なんと黄葉した針葉樹森が広がっていました。針葉樹って紅葉するものだったのですねぇ...
と、そんなことはとりあえずおいておくことにして、この場所の先に進みます。遥か先、写真、真ん中に岩の壁が見えます。そこから左の方に曲がる形で谷が続いています。とても狭い場所のようです。
そこ岩の壁の急峻で巨大なこととといったらありませんでした。ZionのNarrowsとかより凄いんじゃなかろうか?見上げる首が疲れるんです。
『とんでもないよ』
『これは全く...』
とか何とか思って
歩きながら思っていられたうちは
よかったのですが
あまりの岩の迫力
『......(絶句)』
遂には、その場所を一人で歩いていることそのものが
怖くなってしまって
『ここで日が暮れたらヤバイ』

と、夕日を見ながら撤退してきたのでした。

ここ、Capitol Reefでの記憶は

『凡人、撤退の繰り返し』

でした。
こうして、Capitol Reefの一日が終わったのです...
ある意味、凡人、心の中で

『凡人、撤退の繰り返し?腑抜けだなぁ...
でもさぁ、それでも、いいじゃないかぁ〜〜』
という風に、思っていました。今回、撤退の繰り返しに凡人はなぜ満足していたのか?
それは、日中見てきていたこの場所の
赤く険しい巨石を
優しく優しく取り巻く、美しい秋色を目にして
凡人の心が少し、丸くなっていたからです。


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