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アラスカ中盤戦は天気との戦いになりました。前半は好天ながら煙との戦いでしたが、半ば辺りから雨が降り始めたのです。デナリに当初、1週間いる予定にしていましたが雨で回復の見込みがなかったために、アラスカでも天気のよさそうな、南の方に場所を変えることにしました。Backpackingの高い機動性、計画にとても自由が利く点は一番いい点です。
このBackpackの凡人サイトは美しく見える写真が割と多いですが、それは単に凡人が、この高い機動性と計画の高い自由度を最大限に生かして天気のいい場所ばっかり攻めていたからです。天気のいいとこにいけば、凡人クラスの馬鹿チョンカメラでも写真は撮れるんです。でも、今回は南に下ってきてすら雨でした。残念。さえない写真での紹介となります。
デナリを南に行ってアンカレジに戻り、更に南下、南のSewardにいたる道路はSeward Highwayと言われます。この道路の景色はとにかく凄いです。人生でアラスカに行く時間があるのなら、このSeward
Highwayは絶対に運転すべきです。左手に急峻な山、右手に海、それを取り巻く半島にはこれでもか、というほど氷河があります。キナイ半島は本当に美しい場所です。あまりにもいい景色なので天気の悪いこの日も、それなりの写真に残りました。 |
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アラスカは何処でもそうですが、本当に手つかずの自然が何処にでもあります。 |
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アンカレジから南に4時間、海の向こうにはキナイ半島を作っている、キナイ・ペニンシュラの山々があり、そこには低く低く雲が垂れ込めていました。その山、雲の下にSewardの町はひっそりとたたずんでいます。 |
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このSewardの最大の特徴は海と急峻な山が同居することです。フィヨルドとはこういうのをいうのか...と知ってはいても実際に見るまでは、そのフィヨルド地形の美しさは想像できませんでした。 |
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Sewardの中心部についたときには既に日は落ちてました。 |
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雨も降っているのでテントで一夜は面倒だな...と思い、泊まるところを適当に探しました。 |
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今まで山とか森とかでキャンプをする機会は多かったのですが、海、漁村でキャンプ経験はありません。いろいろ探すうちに... |
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滝を見つけましたが、 |
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その滝のすぐ下流で、沢山の釣り人が夕暮れ時、大物を一発狙っていました。この町、Sewardはその沖合いで暖流、寒流が混ざり合い、大変素晴らしい海釣りのメッカとなっています。
ちなみに、この人たちの釣りを紹介しましょうか。とても面白い釣りをしていました。というか、おそらく世界一邪道な釣りなのではないか?と思います。
というのも、この人たちは餌を使っていないのです、さらにルアーでさえ使っていない。
??
という感じですが、よーくみているとやっていることの意味が分かりました。この人たち、ただ単にオモリと大きな釣り針だけをつけてヒョイと投げ込み、そして適当にオモリと針が沈んだ時点でピュッと釣り竿でそれを引っ張り、ただ単に釣り針にそこにいる魚を引っかけて釣り上げようとしているのです。
スポーツマン・シップも何もない邪道極まりない釣りです。笑。
流石に、こんなんじゃあ、そうそう簡単には釣れないだろう?と思ってみていると |
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実に簡単に釣り上げていました。笑。
これはこのうち一人の釣り人が釣り上げた40cm程のピンク・サーモンなのですが、釣り上げた当の本人はこう言っていました。
『小さすぎる。こんなんじゃ今日の夕飯には足らん。』
といってこのまま放置。サーモンはバチャバチャ海岸際で跳ね飛び、海に逃げていってしまいました。。。さすが、アラスカの本場は違う...とこの場所の実力をあっさりとこういう形で見せ付けられました。この人たち、次々とサーモンを釣り上げていました、いや、釣っていない、引っかけ上げていましたので、恐らく、この場所には適当に引っかかってくるくらい、物凄い大量のサーモンがいるということなのでしょう。
上で紹介した小さな滝はサーモンの大群をを常時引き寄せているわけです。
いやはや、こんな邪道な釣りって...と思いながらも、アラスカの凄さを見せつけられました。ここで釣りしている人たちに言わせれば、釣りはワザワザ大金払って沖合いに出なくても十分だ、とのことでした。。。 |
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と、泊まる場所を見つけました。Sewardの街中はとても料金が高かったので、そこから少し離れたところにあるB&Bを選んだのです。 |
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一泊、60$くらいでしたが、とても綺麗なB&Bでした。これはかなりお勧めです。自分は雨を避けるために、仕方なくテントでなくて、ここに一泊だけしたのですが、ここに泊まっている他の人とお話して、釣り情報とキナイの氷河についての詳しい情報を入手できました。半分くらいは自分と同じようなBackpackerで、カップルで泊まっていました。 |
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自分が入った時点で満室となってしまいました。ご主人さんはここで気楽な人生といったところなのでしょう。
話に聞けば、このSewardはIowaとかよりも、よっぽど暖かいことが分かりました。沖合いの暖流の影響なのです。アメリカ西海岸みたいなもんですね。ただ、冬場の雪の量は半端ではないようです。 |
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と、このB&Bからちょっと車運転するともうこんな世界です。いや〜こんな別荘持つのもいいかも知れんな、そう思いました。 |
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更にちょっとだけ運転するとそこには海と山に囲まれた町、Sewardです。本来、漁港、ですがキナイフィヨルド他、多数の氷河を見るための豪華客船の港にもなっています。 |
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氷河はこの辺りには本当に何処にでもあります。そして、ここではモーテルなんかに泊まるよりもテント、キャンピングカーがメジャーだということが分かりました。だって、場所がいい。この町の何処にいても素晴らしいんです。キャンプサイトの目の前には海が広がっています、小さな湾になっていて、その湾をこれでもかというくらいに多くの急峻な山がぐるりと取り巻いているのです。印象としては山脈に囲まれた盆地に海があるというくらいに思えるくらい特異な印象を持つ場所です。そして、極めつけはその山々が氷河を抱いている...
Seward
山、海、氷河、低く垂れ込めた雲(まっさおな空だったら最高だったろうなぁ...)それが凡人の脳裏に強烈な印象を残しています。 |
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そのSewardの町の港のすぐ前にFish Houseという店があります。そのままですが、釣具屋さんです。B&Bで得た情報によると、ここで釣りの為のチャーター船が一括管理されているらしいのです。 |

バイソンのように見えますがこれはジャコウ牛です。
ジャコウ牛は寒い場所を好みます。
氷河期の生き残りとされています。 |
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入り口にはアラスカの動物の剥製が飾られていましたが、 |
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なかでも目を引いたのが、その中心に
デーン
と釣り下がったこの魚。ハリバットという魚です。いわゆるヒラメの系統なのでしょう。凡人は雨が降っているので、釣りなら雨の方が好条件だと思って、ワザワザ、デナリから移動してきたのです。日本人の自分のアラスカでの釣り、という場合のイメージはサーモン釣りです。Sewardはアラスカでも最大の釣りのメッカとして知られています。ですから、ここSewardでサーモンを釣ろうと思ってきたのです。しかし、ここは川釣りでなく海釣りのメッカでした。ことにターゲットはこのハリバットで白身の大変おいしい魚なのだそうです。ハリバット釣りは朝5時から出発して100マイル以上沖合いにでて狙う大物の海の魚です。沖合いにはコディアック島、という島がありますがそこは世界の太公望の憧れの場所だということが分かりました。 |
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釣具屋さん、何か探し始めるとたまらなく面白いんですよね。小学生の頃、よく父親に魚釣りに連れて行ってもらいました...思い出すと無性に胸が熱くなります。 |
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ここでのターゲットはそんな自分がこれまで釣ってきた相手とはスケールが違います。かつて自分はハエや、フナを狙ってましたから、指先ほどの大きさの小さなアキタ・キツネバリが最高だ、なかでもやっぱし、ガマカツ製品に限る!と思ってやってきました。
が、ここで見かける奴はとにかくデカイ。人の口にも入らないくらいにデッカイんです。
『一体、ここの人たちはどんな魚狙ってんだ???』
と仰天しました。 |
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ツアー扱っているカウンターに行くと
『シルバー・サーモンは海の中にもいますヨ♪』
と紹介してありました。これだ、自分がやるべきは。半日たったの130ドル、安いものです。これで釣った魚の代金も含んでいますから沢山釣れば簡単に元を取ってしまいます。重要なのはとにかく沢山釣ることです。 |
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と、カウンターで申し込み。担当の女の方は後ろ写真のとおり、沢山のチャーター船があることを紹介してくださいましたが、そのうちひとつが午後1時に出るそうなので早速申し込みました。 |
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『港のここの黄色で記しつけた所に直接行って頂戴。これは予約確認書ヨ。』
とそれだけ言われるとあっという間に予約完了。 |
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車に戻って時間まで30分ほど待つことにしました。雨は丁度その頃、ピークで物凄い状態でした。
『沖合いは嵐か?笑 船揺れるだろうなぁ...ま、仕方ない。アラスカまで来ておいてサーモン釣らなきゃ何しに来たか分からんやろう。』 |
怪し過ぎる... |
と、気合も準備も十分でした。 |
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時間は1時 |
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船のところにいくと既に出る準備は整っていました。名前は
Tunami号
つなみ?津波かな?と思って |
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船長さんに聞いてみると
『おう、そうだよ。日本語の津波だ。』
だそうな... Big waveか何かの方がかっこいいと思うんだけどなぁ。船長さんは言いました。
『今日は最高の天気だな !』 |
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そりゃ、釣りは雨降っているくらいのほうがいいんだろうけど、雨が土砂降りじゃ楽しくはないな、と内心思っているうちに、船はあっという間に出発。 |
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雨でチーンとしている氷河観光豪華客船を尻目に沖合いのサーモン・ポイントを目指しました。 |
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海は荒れていて船はそこをスッ飛んで行くような感じでした。岸から天に急峻にそびえ立つ山に雨雲が低く垂れ込めていて、その隙間から氷河が時折、顔をのぞかせていました。 |
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そして釣りスタート ルン♪
この船で知り合った釣り仲間は白人のオジさん、オバさん3組6人、でした。
『(お前は)若いなぁ〜若いのには負けとられんワイ。』
と、笑いながらご機嫌なサーモン釣りのひと時でした。船の周囲にはおこぼれの魚を戴こうとカモメが待機していました。 |
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カモメだけではなく、中にはアラスカらしいツノメドリPuffinがいて感動しました。
野生だよぅ... すげー 作り物みたいだ。 |
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船長さんは塩漬けにした小魚を餌にドンドンと手のひらほどもある大きな針につけたり、釣れた魚を網ですくったり、引っかけあげたり |
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籠で暴れまわるサーモンをバットでひと叩きに気絶させたり、と大忙しでした。 |
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と3時間、大物狙い、実に楽しい時間でした。引きが強いので
『うりゃあー、きたーーー』
という感じで、竿をあげてリールを巻き、竿をあげてリールを巻き、といった感じの闘いは、さながら松方弘樹、地球を釣る、という感じでした。
結局、凡人は
ピンクサーモン40cmクラス2匹
シルバーサーモン60cmクラス1匹
雑多なヒラメ30cmクラス5匹(これはすべてリリース)
という戦績でした。ま、こんなもんかな? |
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と、3時間はアッという間に過ぎ去って、もうSewardの港に帰る時間となってしまいました。船は、まさに海の上をすっ飛ぶという感じで進みます。 |
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途中、カモメの群れが自分の船の後を追いかけてくるのを見上げながら、何かしら、妙に満足な感じになりました。 |
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帰りは船長さんの計らいでチョイとアシカの巣にも寄ってくださいました。
『アシカ君、もうちょっといい寝床あるんじゃない?寝返り打ったら落っこちるよ?』
と馬鹿な心配してました。 |
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帰りは少し天気が良かったので景色の見通しが利くようになっていました。くる時には、『これから釣りだ〜』という興奮で景色あまり見ていませんでしたが、 |
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改めてよーく見ると、凄い景色の連続なんです。ザイオンを髣髴とさせる巨石が、 |
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海から直接、まっすぐ天にそびえたつ、その姿は迫力満点でした。 |
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自分の中のSewardの記憶は、釣りももちろんなのですが、海とそこにそびえ立つ山 |
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そして、そこに白く蒼く輝く |
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氷河の記憶なんです。 |
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港に帰ってくると、他の沢山の釣り客も帰ってきていました。朝から沖合い100マイルのポイントまで出かけていた人達の釣績は凄いものがありました。大きなサーモンとその数もですが |
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やっぱり、この場所ではハリバットです。
デカイのなんのってったらありませんでした。1mや2m超えているやつがアッチコッチにいました。 |
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このくらいデッカいハリバット見れば、サーモンなんか完全に雑魚
アラスカの釣りのレベルというのはそのレベルなんです。これはプロ釣り大会とかでなくアマチュアのやる遊びの釣り、この場所の日常なんです。次にくる時にはハリバット釣りの計画立ててから来るべきだと、そう思いました。 |
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我らが船長さんは釣ってきたサーモンをあっという間に開いて切り身にしてしまいました。勿体無いことにイクラなんかは気にもかけずに
ポイポイ、ポ〜イ
と捨ててしまう...
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船長さん 『Koji 他の釣り客さん、もって帰らない人がいてさあ、日本人の君にあげてくれっていってるんだよ。もってくかい?』
凡人 『ああ、もちろん!』 |
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と、その日の夜にはキャンプサイトでサーモンを焼いてご馳走を楽しみました。(そして、このサーモンパワーは翌日のHarding Ice Field行きのパワーの根源になりました。)ちなみにこの日のキャンプサイトではアイルランドから来ていたBackpackerの女の子達、それからロシアから来ていたBackpackerのペアの子達とサーモンParty、楽しい時間でした。デナリでの数々の単独行の話をコッチがすれば、アイルランドの子達はWrangell
St. Elias mountainsの素晴らしさを教えてくれました。(これは後日、凡人がそこへ行くキッカケになりました)キャンプサイトではBackpackerとして通じるところを持っているので、お互いに知らなくても話が楽しめるのはいいもんです。登山家やダイビングする人たちが実に簡単にその場で友達を沢山作れるのと、それは同じことなのです。 |
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ちなみにそれでもあり余ったサーモン切り身とイクラは |
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アンカレジの空港の傍にある24時間営業郵便局(これはアラスカ旅行の際に大変重宝するサービスです。なんたって24時間営業ですから、荷物をここから発送できるだけではなく、ここに送っておくこともできます。)から、実家に土産として送りました。
注意事項ですが、空輸便は郵便局でもFedExでもドライアイスは一切受け取りません。
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130jで半日
元を取るのは実に簡単です。
というか、それ以上にいろんな物をこの場所Sewardでは手にできます。 |